日本園芸協会〜園芸情報サイト

季節の園芸作業

[4月の庭園仕事]

 3月はとても暖かかったり寒さが戻ったり、不安定でしたね。せっかく咲いたウメが雪をかぶっている姿もよく見かけました。サクラはいよいよ満開ですね。ガーデニングは花壇で思い切り楽しめる時期になりました。

買い物情報

ネメシア(Nemesia)

様々な色、様々な大きさ、立ち性、這い性、いろいろあって選ぶのが楽しくなるネメシアですが、今年も上品な淡い色でバイカラーのものが出ました。

 南アフリカ原産のゴマノハグサ科。一年草から多年草まで幅広くあります。耐寒性があるのですが、強い霜には当てないほうがよいでしょう。日当たりと水はけのよい場所を好みます。花の終わった枝を切り戻せば、次から次に花が立ち上がります。夏は涼しい半日陰で管理します。肥料は花のある間は月に2回ほど液肥を与えます。


ネメシア「フェアレディ」シリーズ
イエロー&ピンク

ネメシア「サンサシア」半這い性
なので花壇やハンギングにも活躍

ネメシア「メロウ」コーラルシルク
パステルカラーが人気

ハナカンザシ(Helipterum roseum)と「ペーパーカスケード」(H.anthemoides)

 控えめで可憐な花がたくさんあがり、一鉢だけでもなんとなく気をひく存在感があります。花弁のように見える部分は総苞といい、紙のようにカサカサしている面白い触り心地です。
 ハナカンザシとパーパーカスケードは、とてもよく似ているキク科のオーストラリア原産の植物です。

 ハナカンザシは一年草で葉は長い楕円形、苞は丸みを帯びています。ペーパーカスケードは多年草で葉が線形、苞も尖っています。日当たりと風通しの良い砂質土で乾燥した状態を好みます。

 花が終わったら1/3程度に切り戻し、夏の蒸し暑さに気をつけます。半耐寒性で冬は室内で管理します。


右がハナカンザシ、
左がペーパーカスケード

ハナカンザシ
苞が丸みを帯びている

ペーパーカスケード
苞が尖っている

ミヤマホタルカズラ(Lithospermum diffusum)

 小さく地味な花といわれることもありますが、爽やかではっとするようなブルーと白の配色を持ち、目を引きます。

 ヨーロッパ南部原産のムラサキ科の常緑低木ですが、一般には多年草として扱われています。日当たり、水はけ、風通しの良い場所を好みます。夏の蒸し暑さに弱いので、風通しの良い涼しい半日陰で管理します。花が終わったら、花のついていた枝と伸びすぎた枝を切り戻し、一回り大きな鉢に植え替えます。耐寒性はありますが、凍らない場所で管理します。自然開花は5〜7月です。


ミヤマホタルカズラ「ザ・スター」
他に単色の鮮やかな青、白などが人気

ミムルス(Mimulus×hybridus)

 原色からパステルカラー、斑入りもある花色豊富でにぎやかな印象をくれる花です。

 原種は南アフリカ、アジア、オーストラリア、南北アメリカなどに分布するゴマノハグサ科の多年草ですが、園芸品種は夏頃まで楽しむ一年草扱いです。

 戸外の半日陰で湿気の多い所で育てます。夏は1日12時間以上の日長でないと花が咲かないことがあります。水は土が乾いてきたらたっぷり与えます。寒さに弱いので、冬に鉢で購入した場合は霜のあたらない軒下か室内で管理します。


ミムルス
半日陰の夏の花壇

フクシア(Fuchsia)

 ピンクと紫のコントラストの鮮やかな色合いと、思わず触ってみたくなるユニークな花の形。一鉢でも存在感たっぷりです。鉢植えで楽しみます。

 中南米に分布するアカバナ科の低木。春と秋は日当たりの良い戸外で管理しますが、夏の暑さに弱いので涼しく風通しの良い半日陰におき、梅雨時期に株元から2〜3節残して切り戻します。切った枝で挿し木をして夏越えさせる方法もあります。冬は夜温が5〜6℃以上あるところで管理します。

フクシア‘釣浮草’の別名もあり、
ユニークな形で存在感◎

ハイドランジアの鉢物の管理

 まだ4月だというのに、梅雨時の印象が強いハイドランジア(西洋アジサイ)が店頭に並び始めます。うまく育てると長く花を楽しめる人気の花です。促成で育てられ、大きな花房をつける割に小さめの鉢で仕立てられていることが多いので水切れしやすいので注意します。

 また枝先が重くてバランスが悪く、風が吹いたりするとすぐに鉢が倒れます。鉢からすぽっと抜けるなら、一回り大きな鉢にそのまま移してやり、抜けない場合は鉢ごと大きめの鉢に入れておくと安定します。

ハイドランジアの鉢物の管理ポイント

オーストラリア・南アフリカ原産植物の管理方法

 オーストラリアと南アフリカ原産の植物が多く導入されています。目新しさで人気がありますが、長持ちさせることができないことも多いようです。育て方のポイントを紹介します。

栽培のポイント

 種類によって性質が違うのですが、概して次のことに気をつけるようにしましょう。

花後に切り戻しと植え替えを

 花が終わったら、枝を切り戻します。切り戻す量は、種類によって違いますが1/3〜1/2ほどです。植え替えもこの時期。2年に1回は、根回りの土を多少落として、一回り大きな鉢に植え直します。ボロニアは根詰まりしやすいので、毎年植え替えます。


夏の高温多湿を避ける

 落葉樹の剪定を済ませていない方は3月初旬に済ませましょう。木々の萌芽が始まると、アブラムシなど害虫類が発生しだします。早めに見つけてスミチオン、オルトランなどの殺虫剤を散布します。


水やりは控えめに、肥料は少なめ

 全般的にかさついた感じの種類が多く、多湿を好みません。水はけのよい用土で、水やりを控えめにするのが無難です。肥料はチッ素分の少ない固形肥料を春と秋に少量与えればよいでしょう。プロテアなどは生育に問題がないようならば、無肥料でよいものです。


低温の日は室内か寒風の当たらない軒下の陽だまり

 冬から早春にかけて出回る鉢物は促成で咲かせたものです。こうした花つきの鉢物は6〜7℃が保てる室内の日当たりのよい窓辺で管理するのが安全です。持ち込んだものは、凍らさない程度に保護すればよいようです。低温期の多湿は禁物です。


寄せ植えにするときの注意

 寄せ植えに使う場合は、乾かし気味に育てるものだけで組みましょう。普通の植物と一緒にすると、根腐れをおこしがちです。また、庭植えや花壇には概してあまり適しません。

パイオキザリス「バーシカラー」
南アフリカ原産

ハツコイソウ「メルフラッシュ」
オーストラリア原産

サザンクロス「バースピンク」
オーストラリア原産

春花壇・コンテナの手入れ

 パンジー・ビオラやキンギョソウ、ロベリアなどが花壇やコンテナで咲き誇り、スイセン、チューリップ、ムスカリなどの球根類も盛りの時期です。

 よい状態を長続きさせるために、花殻をこまめに摘み、いたんだ葉の整理をし、混みすぎているところは枝ごと切り詰めておきましょう。また、肥料も切れるころですから、マグアンプKなどの固形肥料を株元に一つまみほど与えます。液肥ならば2週間に1回くらいです。

家庭菜園を始めよう

夏野菜の畑の準備

 家庭菜園の醍醐味のひとつがトマトやキュウリなどの夏の果菜ですね。植え付けはゴールデンウィーク頃(関東南部標準)ですから、そろそろ畑の準備をしておきましょう。

 まず予定している畑の1平方メートルあたり、堆肥を1〜3kgまいてよく耕し1〜2週間ほどおきます。次に土壌の酸度を和らげるため苦土石灰を1平方メートルあたり100gほどまいて、よく耕します。


春野菜の種まきと苗の植え付け

 遅霜の心配がなくなったら、春野菜の種まきや植え付けをしましょう。ネギ(4月上旬まで)、コマツナ(通年)、ホウレンソウ(5月中旬まで)、リーフレタス(4月下旬まで)、コカブ(5月上旬まで)、エダマメ(4月下旬から)、イ−トコーン(4月下旬から)、インゲン(4月下旬から)が適期で、ポットまき(室内保温)ならば早めにまくことができます。

 苗が少数でよい場合や、種まき時期を逃してしまった場合は、ガーデンセンターなどで販売されているポット苗を利用しましょう。チンゲンサイなどで1ポットに数株入っている場合は、ポットの底から根が出ていないものを選んで、早めに分けて移植します。ハーブ苗も同様に植えつけられますが、バジルやレモングラスなど高温性の種類のものは、庭への定植は4月下旬以降まで待ちましょう。

花木・庭木の手入れ

 芽吹いたばかりの新芽や新葉は病虫害の被害を受けやすいもの。特にウメ、サクラ、バラ、モミジ・カエデ類、ツバキ・サザンカ、シャクナゲなどの新芽はアブラムシがつきやすいので注意しましょう。

 また、冬〜春に早く咲いた花木類の花後の剪定を済ませていない場合は、早めに行ないます。

アブラムシ対策

 アブラムシ類は農薬には弱いのでだいたいの殺虫剤で退治できますが、1度退治しても、すぐに風に乗って新しい虫がやってきます。効率的なのは長期間薬効が持続する(1度散布すれば3週間〜2か月くらいもつ)浸透移行性の殺虫剤(オルトランやベストガードなど)です。

 なお、ウメやモミジ・カエデ類は薬に弱く、薬害を起こしやすいので、葉の色が濃くなり、新芽のときよりは少し硬くなるまで待ってから散布するようにしましょう。鉢植えや小さな木の場合は、指先でつぶすのが安全です。

バラには混合散布

 バラは病害虫の多い植物です。芽出しから週に1回、殺虫剤(スミチオンなど)と殺菌剤(ダコニールなど)を混合散布しましょう。

花木の花後の剪定

 ツバキは花が終わった木から剪定をします。花が咲いた枝は、来年はよい花をつけませんから、枝の基の方に2芽くらい残して枝を切り詰め、花が咲かなかった枝は来年花が咲きますので、大切に残します。ただ、残す枝のバランスを見て、混みすぎるようなら、こうした枝も2、3芽残して切り詰めます。サザンカも同様に行ないます。

イベント情報

花と緑のフェスタ2010「八丈島フリージアまつり」
期間:3月21日〜4月4日
Tel:04996-2-1121 内線263
場所:さいたま市・大宮盆栽美術館


春季京葉いけばな
期間:4月17日〜18日
場所:墨田区・墨田区役所すみだリバーサイドホール


東京インターナショナルフラワー&ガーデンショー
期間:4月17日〜25日
場所:立川市・昭和記念公園
Tel:0570-087-150
Webサイト:http://tokyoflowershow.jp/


東京丸の内フラワーウィークス2010
期間:4月20日〜25日
場所:千代田区・丸の内エリア
Tel:03-5840-1705
Webサイト:http://marunouchi-flowerweeks.com/


皐月盆栽 彩風展
期間:4月2日〜4日
Tel:048-296-4021
場所:川口市・川口緑化センター「樹里安」


ふかや花フェスタ&オープンガーデンフェスタ
期間:4月24日〜25日
Tel:048-551-5551
場所:深谷市・深谷城址公園等


横浜赤レンガ倉庫「フラワーガーデン2010」
期間:3月19日〜4月25日
Tel:045-227-2002
場所:横浜市・赤レンガ倉庫


2010となみチューリップフェア
期間:4月22日〜5月5日
Tel:0763-33-7716
場所:砺波市・砺波チューリップ公園他
Webサイト:http://www.tulipfair.or.jp/


桜まつり&チューリップフェア
期間:3月20日〜4月18日
Tel:053-487-0511
場所:浜松市・はままつフラワーパーク
Webサイト:http://www.e-flowerpark.com/


食虫植物展
期間:4月1日〜6日
Tel:052-782-2111
場所:名古屋市・東山植物園


豊橋洋蘭展
期間:4月6日〜11日
場所:田原市・サンテパルク田原
Webサイト:http://sky.geocities.jp/toyohasiranyuukai/


カンアオイ展
期間:4月8日〜13日
場所:名古屋市・東山植物園 052-782-2111


日本いけばな芸術・中部展
期間:4月14日〜19日
場所:名古屋市・松坂屋名古屋展
Webサイト:http://www.nihonikebana.or.jp/


地球館フラワーショー 〜薔薇の庭〜
期間:3月20日〜5月9日
Tel:0574-63-7373
場所:可児市・花フェスタ記念公園


花と緑の市民フェア
期間:4月24日〜25日
Tel:075-222-3352
場所:京都市・みやこめっせ


セントポーリアとリビング園芸展
期間:4月1日〜4日
Tel:06-6694-8788
場所:大阪市・花と緑と自然の情報センター


大阪フラワー・ガーデンショー2010
期間:4月9日〜11日
Tel:06-6615-6355
場所:大阪市・花博記念公園「水の館」


日本さくらそう展
期間:4月13日〜18日
Tel:06-6694-8788
場所:大阪市・花と緑と自然の情報センター


花の万博20周年記念事業とジャパンフラワーフェスティバル2010in大阪
期間:4月29日〜5月5日
Tel:06-6915-4513
場所:大阪市・花博記念公園「水の館」


春の寄せ植え展
期間:2月25日〜5月5日
Tel:0790-47-1182
場所:加西市・兵庫県立フラワーセンター
Webサイト:http://www.flower-center.pref.hyogo.jp/


チューリップまつり2010
期間:3月1日〜5月5日
Tel:0790-47-1182
場所:加西市・兵庫県立フラワーセンター
Webサイト:http://www.flower-center.pref.hyogo.jp/


淡路花博2010花みどりフェア
期間:3月20日〜5月30日
Tel:0799-24-2001
場所:淡路市・淡路島全域
Webサイト:http://www.awajihanahaku2010.jp/


トピアリーフェア、春の洋ランフェア
期間:4月3日〜11日
Tel:0797-82-3570
場所:宝塚市・あいあいパーク


宝塚植木まつり
期間:4月8日〜11日
Tel:0797-82-3570
場所:宝塚市・山本新池公園等


宝塚オープンガーデンフェスタ2010
期間:4月24日〜29日
Tel:0797-89-5933
場所:宝塚市・市内全域の100庭園(あいあいパーク等でガイドマップ配布)


おかやま蘭の祭典&バラ・ガーデニングフェア2010
期間:4月2日〜6日
Tel:086-803-8237
場所:岡山市・岡山ドーム


世羅高原チューリップ祭2010
期間:4月15日〜5月9日
Tel:0847-24-0014
場所:世羅町・世羅高原農場
Webサイト:http://www.sera.ne.jp/


鬼無グリーンフェア21
期間:4月9日〜11日
Tel:087-881-2847
場所:高松市・香川県鬼無植木盆栽センター


みやざきフラワーフェスタ2010
期間:3月20日〜5月9日
Tel:0985-25-4676
場所:宮崎市・こどものくに他

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