日本園芸協会〜園芸情報サイト

季節の園芸作業

[12月の庭園仕事]

 今年は秋がいつまでもあたたかく、寒さが突然やってきたかと思えばまた暖かい日がきたり、紅葉が遅いですね。 作業するにはちょうど良い気温ですので、今のうちに冬の対策をしっかりしておきましょう。

【特集1】買い物情報

キャベツ‘ガーデンルビー’(Brassica oleracea var. capitata 'Garden Ruby')

 アブラナ科の1年草です。観賞用に作られたキャベツは、フラワーキャベツなどの名前で出回っていて、そのなかの一つです。厚みのあるしっかりとした葉は紫色の地色に銀色がかかっていて、冬の花壇や寄せ植えのシルバーリーフとして活躍しそうです。葉ボタンとは少し違った演出に使えそうです。水は乾いたらたっぷり施す程度でよいでしょう。


▲キャベツ‘ガーデンルビー’
冬のシルバーリーフとして花壇などで活躍します
ルブス・カリシノイデス(Rubus calycinoides)

 バラ科の多年草です。耐寒性や耐暑性もあるので管理がしやすい植物です。ちぢれた丸い葉を持ち、普段緑色ですが、冬の低温にさらされると赤く変化します。地を這うように伸びていくのでリーフプランツとしてグランドカバーや寄せ植えのアクセントにも使えます。日当たりを好みますが、半日陰でも耐えます。



▲ルブス・カリシノイデス
グラウンドカバーなどに最適
オキザリス‘名月のめぐみ’ (Oxalis sp.)

 世界中に分布しているカタバミ科で、非常に豊富な園芸種があるオキザリスのうち、秋〜冬咲きの多年草タイプです。葉は丸い3枚の複葉ですが、何と言っても特徴的なのは裏か真っ赤であることです。カラフルなので、一鉢で楽しんでも、寄せ植えにしてもいいですね。日当たりがよい場所で、水はけの良い土で育てます。水のやりすぎに注意しながら乾かし気味に育てます。


▲オキザリス‘名月のめぐみ’
花はいたって普通です。

▲花と葉
葉の裏が鮮やかな赤です。

【特集2】季節の手入れポイント

花壇・ガーデニング

 冬花壇の草花の生育はいかがですか。パンジーやビオラ、デージー、ハボタンは耐寒性が強いので、根付いてしまえば多少霜が降りても大丈夫ですが、スイ―トアリッサムやクリサンセマム・ムルチコーレはやや寒さに弱いので、霜よけや風除けを作るか、軒下に移すのが無難です。ユリやスイセンの球根を植えていない場合は、早めに植えましょう。

花木・庭木

 マツ類の“もみ上げ(古葉とり)”は早めに済ませて、正月をきれいな庭で迎えましょう。また、チャボヒバ、イトヒバ、スイリュウヒバなどのヒバ類も庭の格を高めてくれる樹木です。一緒に手入れをすれば、庭がより見事になります。
 モミジ・カエデ類の剪定も早めに行う作業です。根の活動が早く樹液の流れが早いので、できたら年内、遅くても1月いっぱいくらいにすませておきます。太枝を切るときは、枝の根元から切り、切口にはツギロウやトップジンMペーストなどの癒合剤を塗るとよいでしょう。

花鉢物

 これからしばらくは、外の園芸はあまり楽しめなくなり、室内園芸が中心になります。定番のシクラメンにプリムラ類、花期の長いシンビジウムやデンドロビウムなどの洋ラン類、クリスマスに欠かせないポインセチアやクリスマスカクタス(シャコバサボテン)、クリスマスベゴニアなどが豊富に出回っています。良質の株を入手することが、鉢物を長持ちさせる秘訣です。お店に入荷された直後の、ダメージを受けていない鉢を選びましょう。
 お正月にはやはり、和風の鉢物がふさわしいですね。月半ばになるとお正月用の松竹梅や七草の寄せ植え、梅、放春花(ボケ)、福寿草の鉢植えが出回ります。ウメやボケはつぼみが乾燥すると花が咲かなくなりますので、乾燥しない戸外で管理するか、室内管理の場合は、夕方に霧吹きでサッとひと吹きし、朝まで頭からビニール袋などをかぶせておくとよいでしょう

家庭菜園・ハーブ

 菜園やハーブガーデンも冬支度です。夏秋まきのネギやニンジン、タカナ、カラシナなどの収穫時期です。あまった野菜類は土寄せをすれば、しばらく保てます。また、ホウレンソウやコマツナなどには霜よけをつくってやりましょう。
 地上部が枯れてきたハーブ類は株元で切り取り、根元を腐葉土や堆肥でマルチングしておきます。まだ取り入れていない非耐寒性のハーブがあれば、早めに室内や温室などに取り入れます。

【特集3】クリスマスの花鉢物の手入れ

 冬の室内を暖かく飾ってくれる鉢物類が盛りになっています。鉢物を購入するときは、なるべく商品の回転の早いお店で、入荷したてのものを選びましょう。お店に長く置いてあったものや、店外の吹きさらしの場所に置いてあったものなどは、傷んでいることがありますので注意しましょう。一度傷むと、回復させるのはなかなか困難です。早めに入手した鉢物はそろそろ液肥を施す時期です。また、咲き終わった花がらは、まめに摘み、株の負担を少なくしてあげましょう。

シクラメン

 入手して花が咲き進んできたら、葉組みをしましょう。花茎を真中に集め、替わりに大きな葉を外側に持ってきます。そうすると光が中にまで入るようになり、花が途切れなく咲き続けてくれます。枯れた花や黄色くなった葉は、強引に引っ張って抜かず、しおれて抜けるようになってから指で軽くねじって摘み取りましょう。夜間温度6、7℃くらいのところがベストです。

クリスマスベゴニア

 春まで長く咲き続けてくれる種類です。花がらをこまめに摘み、液肥を2週間に1回ほど与えます。エラチオールベゴニア(リーガースベゴニア)も同様です。ベゴニア類は、高めの温度(夜間温度12、3℃)を好みますので、やや暖かい部屋に置きましょう。

クリスマスカクタス

 空気が乾燥すると蕾が落ちやすいですから、霧吹きをこまめにするか、夜だけポリ袋を頭からかぶせて鉢元を軽く縛っておくとよいでしょう。1季咲きですから肥料は必要ありません。

ポインセチア

 過湿にすると根が傷み、下葉から枯れてきますので、水やりは鉢土が白く乾いてきて葉が少ししおれかけてきてから与えるようにします。また、水を与えた日の夜は14、5℃が保てる部屋に移すようにします。肥料は必要ありません。

クリスマスローズ

 この時期に咲くヘレボルス・ニゲル(本来のクリスマスローズ)と、本来は春咲きのヘレボルス・オリエンタリス(レンテンローズ)とその交配種が出回り始めています。耐寒性が強いので、露地で栽培できます。なお市販株は根の大きさのわりに、ポットが小さいことが多いですから、入手したら一回り大きな鉢に植え替えましょう。

プリムラ類

 オブコニカはシクラメンと同じ葉組みをしましょう。ポリアンサは、葉の裏から花が上がることがありますから、花を真中に集めるようにし、終わった花は先の細いハサミで柄の下のほうから切り取ります。また、オブコニカやマラコイデスで花茎が多く上がってきたら、先に咲いた茎から切り取って切花にして楽しむようにすると、次から次に花が咲きつづけてくれます。

シンビジウム

 花は咲き進むまではよく日に当てるようにします。蕾が全部開いたら場所を移してもよいでしょう。この段階で切花にすると、株の回復が早くなります。また、しおれた花は1つずつこまめに摘み取りましょう。

【特集4】落葉果樹・庭木の植えつけ

 落葉の果樹や花木・庭木の植えつけは、葉が落ち休眠に入った今の時期が好期です(12月いっぱいまで)。寒さが早く来る地方は、春に入る直前くらいが好機になります。

植えられる種類

 ウメモドキ、オオデマリ、ガマズミ類、モクレン・コブシ類、カエデ、ボケ、カイドウ、サクラ類、果樹ではウメ、モモ、リンゴ、ナシ、クリ、カキ、ブドウなどが植え時です。

よい庭木の条件

植木の植え方

(1) 根鉢よりも大きめの植え穴を掘る(深さは根鉢の高さよりも深く)
(2) 底に堆肥を入れ(苗木の場合は化成肥料も少量を入れる)少し土を戻す
(3) 根元が地面の高さよりも多少高くなる程度で植木をすえる
(4) 土を8分目くらい入れて、水をたっぷりと注ぐ
(5) 根鉢を棒で突き、土を根の周りに行き渡らせる
(6) 土を元の高さまで戻す
(7) 植え穴の周囲に丸く土手状に土を盛って(水鉢)、その中にもう一度水を十分に注ぐ

 この方法は水極めといい、マツ類やナンテンなどは水を使わない植え方をします(土極め)。
 なお、1本立ての果樹苗は、幹を切り詰めて植えつけます。

イベント情報

県名 イベント名 期間・場所・連絡先
東京 ウィンターフェスティバル 期間:11月10日〜2012年2月14日
場所:文京区・東京ドーム
TEL:03-5800-9999
日本盆栽作風展 期間:12月3日〜6日
場所:台東区・上野グリーンクラブ
TEL:03-5685-5656
クリスマスフェスタinマミ 期間:12月2日〜3日
場所:大田区・マミ会館
TEL:03-3774-3986
いけばなインターナショナルフェア 期間:12月7日
場所:港区・東京プリンスホテル
TEL:03-3432-1111
栃木 シクラメンとクリスマスを
彩る花展
期間:11月15日〜12月25日
場所:栃木県下都賀郡・とちぎ花センター
TEL:0285-55-5775
URL:http://www.florence.jp/
埼玉 爽秋 盆栽村の美と歴史2 期間:11月3日〜12月14日
場所:さいたま市・大宮盆栽美術館
TEL:048-780-2091
神奈川 花とみどりのフェスティバル
「シクラメン展」
期間:12月2日〜4日
場所:横浜市・そごう横浜店
TEL:045-210-4427
愛知 『ボタニカルアートでめぐる
東山植物園の植物』原画展
期間:11月29日〜12月11日
場所:名古屋市・東山動植物園
TEL:052-782-2111
大阪 クリスマスを飾る植物たち 期間:12月1日〜25日
場所:大阪市・花と緑と自然の情報センター
TEL:06-6694-8788
エフアート押し花クラフト
クリスマス作品展
期間:12月6日〜11日
場所:大阪市・花と緑と自然の情報センター
TEL:06-6694-8788
兵庫
クリスマスフラワーショー 期間:11月19日〜1月15日
場所:淡路市・淡路夢舞台温室
「奇跡の星の植物館」
TEL:0799-74-1200
クリスマス樹木フェア 期間:11月26日〜12月25日
場所:宝塚市・あいあいパーク
TEL:0797-82-3570
シクラメンフェア 期間:11月26日〜12月27日
場所:宝塚市・あいあいパーク
TEL:0797-82-3570
地球館フラワーショー
ホワイトクリスマス
期間:11月12日〜12月25日
場所:可児市・花フェスタ記念公園
TEL:0574-63-7373
徳島 全国シンビジウム逸品展 期間:12月1日〜1月31日
場所:美馬市・河野メリクロン あんみつ館
TEL:0883-53-1187
URL:http://www.anmitsukan.jp/