日本園芸協会季節の園芸作業
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[梅雨]

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◆梅雨期のガーデニング◆

各地から梅雨入りの便りが届きます。一年中で一番うっとうしい季節になりましたね。 でも、雨空に負けないガーデニングを楽しみましょう。

◆買い物情報◆
ハイビスカスやクロッサンドラ、サンタンカ、ランタナなど夏を彩る熱帯性の花木類の特徴は、 伸びた枝先に次々と花をつける種類が多いこと。咲き終わった花枝や花がらをこまめに摘み取り、肥料を定期的に与えれば、 秋まで花を楽しむことができます。液体肥料ならば2、3週間に1回でよいでしょう。また、日当たりを好む種類がほとんどですので、なるべく日当たりの良い所に置きましょう。 室内に置きつづけると花が咲かなくなります。なお、サルスベリやムクゲなどの夏咲きの花木類、ポーチュラカやサフィニアなどの草花も同じ性質です。
クロッサンドラ
クロッサンドラ

ハイビスカス
キョウチクトウ
◆種子まき◆
春の種まきのシーズンも終わり、今は一休みの時期。 ただ、春に蒔き忘れたマリーゴールドやジニア、コスモス、ケイトウなどの種子があれば、ぜひこの時期に蒔いておきましょう。春蒔きとはちょっと違った楽しみ方ができます。春に蒔いて育てたものは、概して夏に弱ってしまい、涼しくなっても回復するまで時間がかかります。それを遅く蒔くと、苗で夏越しして秋すぐに良い花を咲かせてくれますし、コスモスなどではコンパクトなほどよい草姿にまとまります。またグラジオラスも、今植え付けると9月に咲いてくれますので、植え残した球根があれば植えておきましょう。

◆病害虫の防除◆
これからは夏は病害虫の発生時期。毛虫や青虫などの大型の虫は、早めに見つけて箸などでつまんでビニル袋にいれて処理すれば良いでしょう。大量に発生したときや、ツバキやサザンカにチャドクガが出たときは、やはり農薬の散布が必要です。虫の体に掛かるようにスミチオン乳剤を散布します。アブラムシは、牛乳を生のままスプレーで散布すれば退治できます。 これは牛乳の脂肪分がアブラムシの体を被って窒息させたり、圧縮死させるものです。2、3日後に頭から、潅水して牛乳分を洗い流しましょう。 ハダニにはコーヒーの飲み残しがききますし、ハーブ類(バジル、チャイブ、トウガラシ、ニンニクなど)の煮だし液も色々効果があるようで、防虫の他、ウドンコ病の予防に予防に良いとされています。また、最近話題になっているのが木材を燃やしたときに出る煙りの成分を集めた「木酢液」。草花の体質改善や病気の予防に効果があると、無農薬栽培を目指す菜園やハーブ作りの方に好評です。いずれにしろ、病害虫対策は、早め早め発生を見つけて対策をとるのが大切。雨の合間を見て、こまめに庭に出かけましょう。

◆アサガオのサツマイモ接ぎ◆
アサガオとサツマイモは親戚の間柄。さつまいものツルにアサガオを接ぐと、芋の力でアサガオがぐんぐん育ち珍しい仕立てが楽しめます。この「アサガオのサツマイモ接ぎ」で夏のガーデニングの目玉を作りましょう。
サツマイモ接ぎ
(1)よく日に当てて育てたアサガオを先端からまず7〜8センチで切り、再び途中で3〜5センチに 切ります。葉は葉枝を残して切り落とします。これが接ぎ穂になります。

(2)(3)接ぎ木は、台木の勢力が接ぎ穂の勢力より勝るとうまくつくので、切り取った接ぎ穂は 水を入れたコップなどに差し1日置いて、数時間乾かして弱らせてから接ぐようにします。

(4)イモを普通アサガオなどを植える栽培用土に植え込み、光に当ててしっかりと根を張らせます。 イモの茎に接ぎ木をする場合(ア)は1本の芽を丈夫に育てるようにし、イモに直接接ぎ木する場合 (イ)は、出てくる芽をすべて取り、根だけを張らせるようにします。 イモを植える向きは縦でも横でも斜めでもかまいません。

(5)(ア)は、台木の茎に接ぎ穂にあわせて切り込みを入れ、接いだら、 接ぎめをポリエチレンなどでくるみ、輪ゴム等で止めておきます。 (イ)は、台木に切り込みを入れ、接ぎ穂を差し込みます。

(6)濡らして絞った新聞紙と鉢をダンボール箱などに入れ、ポリエチレンの袋で密閉します。 日陰で一日置いておけば、ほぼつきます。 つかなければもう一度接ぎ穂を取ってまた接ぎます

成功させるには、(1)接ぎ穂や台木を切るとき、よくきれる刃物を使う。 (2)接ぎ穂は葉柄を残して葉を切り落とす。 (3)接ぐ前に接ぎ穂を弱らせる。(4)イモはあらかじめ植え込んで根を張らしておく。 (5)イモに直接接ぐ場合は芽が出たらすべて取る。 (6)接いだら、光を当てず、湿度100%保つようにする。という6つの注意が必要です。 はじめは、特に近縁な種のヘブンリーブルーというアサガオを接ぎ穂にするとより簡単につくでしょう。

一口メモ・梅雨時の水やり
長雨の続く梅雨時は水やりにも注意が必要です。ザァーザァー降っているときは良いのですが、シトシト降っているときは気を付けましょう。花壇は別として、コンテナは雨が降っていも鉢の中まで雨が入ってないことがよくあります。こういうものは、雨上がり急に日がさしてくると、水不足でぐったりなってしまいます。ベランダなどの鉢物も同様で、雨の間は空中湿度が高いですから鉢土が多少乾いても大丈夫だったのが、晴れると急に水を欲しがるようになります。特にインパチエンスは水切れに弱いので気を付けましょう。梅雨の晴れ間は、選択や布団干しのついでに、コンテナの土の乾き具合も確かめましょう。

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