日本園芸協会季節の園芸作業
ENJOY!


[2004.2月]

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この冬もあまり、明るい話題がないですね。アメリカで狂牛病の牛が発見され(いったい“牛丼”はどうなるのでしょう)、SARSは広がらないですみそうですが(まだまだ油断はできません)、代わりに鳥インフルエンザが猛威をふるっています。毎年のように新しい病気が出現しているようで、なにか怖いですね。とりあえず、インフルエンザ(人の)には気をつけましょう。
 さて、時期的に野外の作業は少ないのですが、庭木類の剪定(季節の庭園仕事12月号参照)、薬剤散布・寒肥(園芸ファン141号参照)など、冬の作業はこの月のうちにすませておきましょう。

買い物情報

フラワーショップは早くも春の装いに変わっています。
ストックは寒さに強いが、
強い霜にはさらさないように。
カルセオラリアは
水切れに注意し、
花柄をまめに摘む
アザレアはツツジの中
では寒さに弱いので
寒風にさらさない

●花鉢物
サイネリア、アザレア、カルセオラリアなど春の花が目立ち、マーガレットは白、桃、黄色と揃い、ハゴロモジャスミンやクレマチス等の行灯作りの鉢物も出てきました。洋ランもシーズンでシンビジウム、カトレア、コチョウランなど定番の種類のほか、マスデバリアやディサなど珍しい種類も出回っているようです。

冬の鉢物の入手は、店頭で寒風にさらされていたものは避けること。もともと温室で大切に育てられてきたものですから、短時間でも寒風にさらされると、すぐにダメージを受けてしまいます。見た目はなんともなくても、内部が傷んでいるものがありますので注意しましょう。

●球根鉢物
時期的に促成のチューリップ、スイセン、ヒアシンスなど球根類の鉢物が目立ちます。もともとは寒さには強い性質ですが、温室で育てられてきた促成ものですから、寒風や霜の当たらない陽だまりに置きましょう。といって、暖房の効いている室内に長く置くと花が早く終わってしまうので、注意しましょう。

●花壇用の苗
苗ものではパンジーやビオラなどは多少安くなってきたようです。春花壇用の草花ではセチククやストック、キンギョソウ、キンセンカなどが多くなりました。ただ、まだ寒さは厳しいですから、強い霜の降りるところでは、ひさしの下などで管理しましょう。下葉までしっかり付いていて黄色くなった葉がないものを選びます。

サイネリアの新しいタイプ 優しい桃色で人気が
ある桃色マーガレット
小輪多花性のクレマチス
カートマニー・ジョー


冬の花鉢物や草花の手入れ

●シクラメンの葉組み
葉組みを整えてやりましょう。花茎を真中に集め、替わりに大きな葉を外側に持ってきます。そうすると光が中にまで入るようになり、蕾が途切れなく上がってくるようになります。

●花がら摘み
シクラメン、プリムラ類、パンジー・ビオラなど、花が次々に咲きつづける種類は花がら摘みをこまめに行いましょう。種子を稔らせると株の勢いが衰えますし、しおれた花をそのままにしておくと、病気のもとにもなります。

●追肥
入手して2週間くらいした鉢物は、肥切れしてくるものがありますので、マグアンプKなどの粒状の固形肥料を与えましょう。特にシクラメンやプリムラなど花を長期間、次々と咲かせる種類には大切で、洋ラン類やシャコバサボテン、ポインセチアなどには必要ありません。

●切戻し
リーガース・ベゴニアで花の終わった株は、深め(茎を半分ぐらい)に切り戻せば再び花茎が上がります。なるべく日当たりのよい窓辺などに置くようにしましょう。


クリスマスローズの購入と管理

 花の少ない冬の庭を飾ってくれるクリスマスローズ(ヘレボルス)は貴重ですね。最近は、明るい花色のものや八重咲きなどが出回るようになって、人気が急上昇です。花付き株のほか、苗(1、2年で開花)も多くなっています。

人気のあるクリスマスローズ展示場

<花付き株を入手したら>

・選び方
有茎種も無茎種もこの時期に蕾がついていなければ、今年の花は望めません。なるべく蕾の多くついているものを選ぶこと。クリスマスローズは蕾が小さくても、大体は開花します。

・置き場所
よく日の当たる軒下などの陽だまり。強い風が当たるところは避けましょう。 

・水やり
クリスマスローズは今が生長期なので、水を切らさないように注意。鉢の土が乾いてきたら、暖かい日の午前中にたっぷり与えます。特に、蕾の上がってきた株は、花が開くのに水が必要で、風が強い日は乾きが早いので要注意です。

・肥料
緩効性の固形肥料を月に1回一つまみほど、液肥なら月2、3回程度。庭植えのものには、春と秋に緩効性の固形肥料1、2回与えればよいでしょう。

・植え替え
クリスマスローズは根が大きくなる植物です。株の大きさよりも鉢のほうがやや大きく見えるもの(秋か冬の初めに植え替えられたもの)はよいのですが、株と鉢のバランスがよい感じのものは、根詰まりの危険があります。こうしたものは、花が終わったら、一回り大きな鉢に植え替えます。庭(落葉樹の下の、夏に半日陰になるところ)やプランターに植えるときは、軽く根をほぐします。

<苗の場合>

ポット植えの苗は、1年で根がポットに回ります。ポットの土を押してみて、硬い感じなら根詰まりに近くなっているものです。すぐに、軽く根をほぐして二回りほど大きな鉢に植え替えます。なお、施肥は、植え替え後、3週間ぐらいしたら始めます。

<クリスマスローズの展示会のご案内>

★クリスマスローズ展
2月10日〜15日 東京・神代植物公園(調布市)

★ヘレボルス倶楽部日本橋三越展示会
2月17日〜22日   東京・日本橋三越チェルシーガーデン(屋上)

★クリスマスローズの世界展
2月20日〜22日 東京・池袋サンシャシンシティ展示ホールA 

★ヘレボルス倶楽部新宿御苑展示会
2月24日〜29日   東京・新宿御苑インフォメーションセンターアートギャラリー

*イベント情報にそのほかの園芸展示会などが載っています。ご覧ください


サクラソウ(日本桜草)の植え付け

園芸も、苔玉や草もの盆栽など“和もの”が見直されてきています。今年は、落ち着いた花姿が持ち味のサクラソウ(日本桜草)を育てませんか。江戸時代に大変なブームになった草花で、その時代の名品種がまだ残っています。ちょうど今が植え時で、大きな園芸店やガーデンセンターならポット植えの株が入手できるはずです。

●鉢と用土
専用の桜草鉢がありますが、入手は困難なので、普通の素焼き鉢でよいでしょう。用土は黒土か赤玉土(中小粒)6割に、腐葉土を3割、川砂を1割ほど混ぜたもの。

●植え方
5号鉢に4芽植えくらい。必ず1鉢1品種とし、混植は品種が分からなくなりますので、やめましょう。土を半分くらい入れたら、芽を図のように卍形に並べ、2センチくらい覆土します。ちょっと深植えとし、ウォータースペースを2〜2.5センチくらいとります。

●肥料
元肥として緩効性粒状肥料を小さじ1杯くらい植え土に混ぜておくか、植えた後、鉢の表面にまいておきます。花後は、葉のある間は月3回くらい薄めた液肥を与えます。

●水やり
鉢土の表面が乾きかけてきたら、たっぷりと水やりします。葉が出てくると、水を欲しがりますから、水切れさせないように注意しましょう。

●置き場所
芽が動き出すまでは強い霜が当たらない棚下などでよく、芽が動き出したら日当たりに。夏は半日陰程度の涼しい場所に移します。

●その後の管理
花が終わったら花茎を切り取り、増し土(1センチくらい)します。


イベント情報

第78回国風盆栽展(東京上野・東京都美術館)
2月8日〜15日(連絡先 Tel 03-3821-3059)
第53回関東東海花の展覧(東京・池袋サンシャインシティー文化会館)
2月13日〜15日(連絡先 Tel 03-3434-9554)
世界らん展日本大賞2004(東京後楽園・東京ドーム)
2月21日〜29日 連絡先 Tel 03-3563-7879
ウェッブサイト http://www.jgpweb.com
フラワードーム2004−あいち花フェスタ・名古屋国際蘭展 (名古屋・ナゴヤドーム)
3月12日〜17日  連絡先 Tel 052-221-6157
2004日本フラワー&ガーデンショウ(千葉・幕張メッセ)
3月26日〜28日 連絡先Tel 03-3583-6157
ウェッブサイト http://www.kateiengei.or.jp

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