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2002年07月15日号 最新号 2002年08月26日号

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    園芸ファン通信          【Vol.16】  2002年8月8日号

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★8月上旬〜8月後半の行事     
 立秋(8月8日) 旧七夕(8月15日) 処暑・旧盆(8月23日)

 全国的に梅雨明けし、暑い日が続きますね。ただ、今年は台風の発生が例年
より多いうえ、定期的に日本に接近することが続いています。海山のレジャー
に出かける時は天気予報に気をつけましょう。

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■季節の手入れポイント■ 

<花壇・ガーデニング>
 日本の夏は高温多湿で、熱帯産の草花も夏負け気味です。暑さで弱って花数
が少なくなったペチュニア類、サルビア、マリーゴールドは枝を切り戻してお
きましょう。乾燥が続くときは、早朝や夕方にたっぷりと水やりします。特に
宿根バーベナやトレニアは水切れに弱いですから注意しましょう。

 ただ、水を頭からかけると、蒸れの原因になります。特に日が高くなってか
らの水やりでは注意し、根元に与えるようにするのが肝心です。

<花木・庭木>
 今年は、梅雨明け前から台風が襲来するという珍しい年です。風通りをよく
するために、茂りすぎたところの枝を間引きしておきましょう。今年植え付け
た木や根が弱っているものには、しっかりとした支柱を立てておきます。

<花鉢物・観葉植物>
 日当たりに出してある鉢は、水切れに注意しましょう。水やりは朝早めにた
っぷりと行います。鉢土が夕方までに乾いてしまう場合は、夕方にも与えます。
まだ土に多少湿り気が残っている場合は、葉水を与える程度でよいでしょう。

 鉢土が早く乾きすぎる場合は、鉢一杯に根が回っているか、地上部に比べて
鉢が小さすぎるものですので、根鉢を崩さないように一回り大きな鉢に植えな
おすとよいでしょう。

 暑さに強く、夏中花を咲かせ続けるハイビスカスやアブチロン、サンタンカ、
アメリカンブルー、ポーチュラカ、ヂュランタなどの鉢物は、肥切れしないよ
うに定期的に追肥しましょう。

<家庭菜園・ハーブ>
 夏野菜の収穫の盛期です。株に元気がある間は、肥切れさせないよう、2〜
3週間おきに定期的に追肥をあたえ、根元に土寄せしましょう。また、晴天が
続くときは土が乾燥しすぎないように、涼しい朝か夕方にたっぷりと水やりし
ましょう。

 なお、ナスは枝が込み合ってくると、収穫が悪くなります。枝を順次1/2
〜1/3ほど切り戻してやると、秋によいナスが収穫できます。併せて株元か
ら3、40センチはなしてスコップを突き刺して根切りをし、1株あたり化成
肥料を1握りほど追肥しておきましょう。

 暑さが続くと、トマトやキュウリ、サヤインゲンなどは弱ってきて、よい果
実が取れなくなります。そろそろ、次作の準備の時期になります。

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■夏向きの涼しげな観葉植物■
 
 鉢物がひとつ、部屋の中にあるだけで、涼しく感じられますね。
なかでも小葉で優しげな風情の観葉植物や草物ですと、ひときわです。
夏に涼しさを感じさせてくれる鉢物とその管理のポイントを紹介します。

●ジャガランダ(マメ科) 
 本来は大木になる熱帯花木だが、小葉で淡い緑色の葉の様子から、観葉植物
として使われている。肥料は控えめにし、あまり大きくしないように。本来は
日当たりを好むので、3、4日室内で鑑賞したら、外に出し半日陰から日向で
培養する。冬の最低温度は4℃。
 
●アスパラガス(ユリ科) 
 野菜のアスパラガスの仲間だが、つる性で鮮緑色の葉が涼しげ。吊鉢にもよ
いが、あまりつるを伸ばすととげが出ることがあるので、早めに枝先を摘む。
 
●アジアンタム(シダ類) 
 小葉のシダの代表種。乾燥した風が当たると葉が枯れるので、空調の近くに
は置かないこと。水切れに注意し、葉水を与える。直射日光も不可。通年室内
で管理。
 
●タマシダ(シダ類) 
 塊茎を持つ丈夫なシダの仲間。吊鉢にもよい。古くなった葉はマメに摘み取
る。通年室内で管理。
 
●フウチソウ(イネ科) 
 柔らかな葉姿から人気がある和物観葉。吊鉢や水盤つくりもよい。丈夫で育
てやすい。水はけのよい用土で植えること。斑入りや紅紫色葉の種類もある。
本来は日当たりを好むので、3、4日室内で鑑賞したら、外に出し半日陰から
日向で培養する。冬は戸外で管理する。

 ラミウム(シソ科)やギボウシ(ユリ科)、斑入りヤブランなど、斑入りの
鉢物も涼しげな感じを演出してくれます。 

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■庭木・果樹の病害虫防除■
  
 梅雨が明けると、樹木類では病気は少なくなりますが、害虫の防除は怠れま
せん。特にこの時期は幹に侵入して中を食い荒らす害虫の発生時期です。

●コスカシバ 
 幼虫が樹木類の幹に侵入して中を食い荒らすガの仲間。侵入跡は樹脂やカス
がついているので、それらを取り除き、スポイトなどでスミチオン乳剤(50
倍液)を注入する。予防にはサッチューコートSなどを幹に塗布。サクラ、ウ
メ、モモなどは特に注意。
 
●テッポウムシ 
 カミキリムシの幼虫で、やはり幹や根に進入して食い荒らす。対策予防はコ
スカシバと同様。シイ・カシ類、クリ、イチジク、ブドウ、カエデ類に注意。

●アブラムシ・カイガラムシ 
 枝が茂ると発見が遅れて被害が大きくなるので注意。浸透移行性のエカチン
乳剤か、スミチオン乳剤の散布。
 
●ハダニ 
 高温乾燥期に被害が大きくなる。水やりのときに葉裏まで強くスプレーする
と効果がある。または殺ダニ剤の散布。
 
●カキのヘタ虫 
 8月中にスミチオン乳剤を2回散布。
 
●チャドクガ 
 発生したらスミチオン乳剤を散布。ツバキ・サザンカ・チャに注意。
 
●ベニモンアオリンガ 
 ツツジ・サツキ類、シャクナゲ類の蕾に食入し中を食い荒らす。8、9月に
スミチオン乳剤を月2回散布。
 このほか、病気ではサルスベリやサンシュユのうどんこ病(モレスタン水和
剤、ベンレート水和剤)が目立ちます。

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■秋咲き球根の植えつけ■
  
 土の中から、いきなり蕾をもたげて鮮やかな花を咲かせてくれるリコリスや
アマリリス・ベラドンナは、庭の表情を一変させてくれる魔法の球根類です。
今が、この秋咲き球根の植え付け時期です。
 
●リコリス類
 ヒガンバナの仲間で、英語では花びらが細長いのでスパイダーリリー。日本
や中国原産なのに、エキゾティックな感じがします。欧米の改良種が出回るよ
うになってバラエティーが増えました。

・植え場所 
 日当たりと水はけがよい肥沃地。夏に乾燥しないところがベストです。明る
い落葉樹の下などでもよい。日本原産のショウキランやシロバナヒガンバナは
関東地方以南の暖地向き。
 
・植え時期 
 なるべく早く、8月中旬には植え付ける。

・植え方 
 植える前にあらかじめ堆肥をすきこんでおき、根を広げて植えること(リコ
リス類は休眠中も根が生きているので、根を切らないように)。株間は10〜
15センチ、覆土は球根1球分。

・管理 
 花後に有機配合肥料を1掴み株元にすきこむ。
 
・鉢植え 
 6、7号鉢に3〜5球植え。ナツズイセンなど大球性の種類は1〜3球。植
え替えは毎年か2年に1回。夏も土をあまり乾かさないように。

*協会のホームページ“季節の園芸作業”にリコリスの植え方のイラストが載
っています。ご覧ください。
⇒ http://www.gardening.or.jp/colum/index.html#lyco

●アマリリス・ベラドンナ
 南アフリカ原産で、香りのよい大輪で瀟洒な花で人気があり、別名はベラド
ンナリリー。リコリス類よりも寒さに弱いので鉢植えが無難です。関東地方以
南の暖地ならば庭植えもできます。
 
・植え時期 
 早めに植えつけ、遅くとも8月中旬頃までに植えつける。
 
・用土と鉢 
 チッソ分の多い用土を嫌うので、市販の培養土ではなく、川砂、赤玉土に腐
葉土を2割くらい入れた用土を調合。鉢は、球根類よりもやや大きい程度の小さ
めの鉢。

・植え方 
 球根の先が出るくらいの浅植え。
 
・管理 
 花が咲いたら葉が出てくるので、冬までは日当たりで管理。霜が降りる前に、
室内の凍らない日当たりに取り入れ、春また外に出す。
 
・施肥と植え替え 
 肥料は春と秋にハイポネックスの液肥を月2回ほどでよく、植え替えは好ま
ないので3、4年に1回。

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■夏野菜の手入れと秋の準備■ 

 ご自分で栽培し、完熟させたトマトやスイートコーンは本当においしいです
ね。こうした夏野菜こそ、家庭菜園の醍醐味のような気がします。

 ただ、トマトやキュウリは夏に弱りやすく、暑さが続くと、果実が小さかっ
たり、奇形果になりやすいものです。収穫の終わったトウモロコシやサヤイン
ゲンともども、畑を整理して、秋の準備にかかりましょう。

●畑を片付ける目安
 種子まきの目安は、ダイコン(8月下旬〜9月上旬)、ハクサイ(8月中旬
〜9月上旬)、キャベツ・ブロッコリー(7月下旬〜8月上旬)、レタス(8
月下旬〜9月上旬)です。
 ハクサイやキャベツ類、レタスはポットにまいて育苗するのですが、ダイコ
ンは直播ですから、ダイコンの種子まき時期にあわせて、8月の中旬には畑を
空け、準備をすることになります。

●畑のならしと準備
1.夏野菜を引き抜き、畑をよく掘り起こす。

2.引き抜いた野菜の株や掘り起こした根は、すべて処分する。

3.苦土石灰を1u当たり100〜200gばら撒き、スコップなどでよく混
  ぜ合わせ、表面を平らにならす。

4.1週間後に1u当たり堆肥2Kg,配合肥料100gくらいを混ぜ合
  わせる。

●種子まき
 まくのが少量の場合は、3号ポットに4、5粒まいて、発芽したら3芽に間
引く。用土は市販の培養土。時期的にアオムシ類がつきやすいので、寒冷紗の
トンネルをかぶせるとよい。
 肥料は発芽したら、週1回、液肥を与えるか、種子まき用土に配合肥料を少
量まぜておく。

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■旅行中の鉢物の水やり?■

 夏は帰省や家族旅行などで、家を空けることが出てきますね。1日や2日な
らばよいのですが、長くなるようなら、水切れ対策を考えておきましょう。

●シュフレラやベンジャミンなど比較的乾きに強い観葉植物や洋ラン類の場合
 出かける前に2、3日たっぷりと水やりしてから、木陰や棚下など直射日光
が当たらない場所に移します。帰ってきたら、またたっぷりと水やりすればよ
いでしょう。葉の大きな観葉植物では、葉を多少、切っておくのも効果的です。

●普通の鉢物
 庭の半日陰のところに鉢より一回り大きく、やや深い穴を掘り、その中に鉢
をいれてからたっぷり水やりします。穴の底から水が抜けるのを確認してから、
土を戻して鉢を埋め、もう一度たっぷり水やりします。1週間ぐらいなら、こ
れで保つはずです。帰ってきたら掘り出して、土が乾いているようなら、水や
りしてから元の場所に戻します。

●ベランダなどで、庭がない場合
 強い直射日光が当たらなければ、たらいや大きめのバケツに雑巾などを敷き
詰め、その上に鉢を置き、水を鉢の底が1/5くらい浸るように入れます。こ
れでだいたい2〜4日くらい持たせることができるはずです。あらかじめ、ど
のくらい持つか試しておきましょう。

 直射日光が当たる場合は、室内のなるべく温度が低い場所に上記のセットを
作っておくことになります。部屋の中は蒸れやすいのですが、完全に水切れさ
せるよりは、まだましでしょう。風呂場や台所のシンクなどで換気扇をタイマ
ーで動かせるようですと、蒸れも少なくなります。

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■夏の種子まき■ 

 晩秋から冬〜春花壇に欠かせないハボタンやパンジー・ビオラは、夏に種子
をまきます。前号でまき方や準備の仕方を説明していますが、まだ、まいてい
ない方は早めに行いましょう。特にパンジー・ビオラは、種子をまく前に冷蔵
処理の期間(約1か月)が必要ですので、お早めに。

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