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    園芸ファン通信      【Vol.30】  2003年6月3日号

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 平年より少し遅れて、奄美、沖縄地方の梅雨入りが宣言されました。これか
らジトジトする梅雨の季節がやってきます。草花にとっては、注意しなくては
ならない病害虫の時期でもあります。手入れを怠らずに早めの処置を心がけま
しょう。

 今回は、これからの季節のバラの手入れや、最近目にするようになった宿根
性のアサガオの育て方、そして梅雨時が要注意の病害虫の退治法などの内容を
ご紹介します。

■■■■■■■■■■■■■■■今号の目次■■■■■■■■■■■■■■■

(1)バラを続けて咲かせるための花がら摘みと薬剤散布
  ―――鉢植えバラの花後の手入れ

(2)早く花を咲かせるためにカリ肥料と草木灰を
  ―――人気の宿根性アサガオの咲かせ方

(3)花後は早めに刈り込みを
  ―――ツツジ・サツキの手入れ

(4)早期発見早期駆除!!
  ―――ツバキのチャドクガの発生時期です

(5)季節の手入れポイント
  ―――花壇・ガーデニング、庭木・花木、花鉢物、家庭菜園・ハーブ

(6)イベント情報
  ―――不忍池のサツキ展(さつきフェスティバル)ほか

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(1)鉢植えバラの管理
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 今年もバラの季節がやってきました。今年、鉢植えのバラを入手された方の
ために、管理をまとめました。

<鉢植えに適した系統>
 長く伸びる大輪のツルバラは大きな容器と広い面積が必要なので、ちょっと
鉢植えはつらいです。また、なるべく花期の長い種類がよいですね。

 ハイブリッド・ティー(H・T)、フロリバンダは原則四季咲きですが、オー
ルドローズ、イングリッシュローズは1季咲きや2季咲きの種類も多くありま
す。ラベルで確認するか、店員さんにアドバイスを求めましょう。

<花後の手入れ>
 花が咲き終わったら、花がらを摘みます。1季咲きの品種は花首の下で、多
季咲きの品種は5枚葉の上で切り取ります。

 なお、花つき鉢は小さめの鉢で売られていますので、花が終わったら、一回
り以上大きな鉢に、根鉢を崩さないように植え替えます。用土には肥料を混ぜ
ないようにしましょう。

<病害虫防除>
 バラは雨が当たると病気の発生が多くなります。雨が続きそうなときは、軒
下に鉢を移して病気の発生を防ぎましょう。ただ、完全に防ぐことはできない
ので、薬剤散布は定期的に行います。

 黒点病とうどんこ病の予防のためにダコニールかサプロール(黒点病)、ミ
ネラシン(うどんこ病)をそれぞれ1週間おきに散布して予防します。梅雨明
けからは、ハダニの防除用にケルセンの散布を月2回追加します。アブラムシ、
チューレンジバチなどが発生したら、スミチオンなどの殺虫剤を散布します。

<施肥と水やり>
 バラは肥料と水を好みます。開花時期(蕾が色づくまで)と真夏を除いて、
月1回固形肥料を置肥(親指大のものを3〜5個)、月2回液肥を施します。
1季咲きの場合は花後の肥料は半分とし、新苗の場合も秋までは肥料は半分く
らいでよいでしょう。

<新苗の手入れ>
 新苗は、節間のつまったややずんぐりした感じの苗が良苗です。入手したら、
早めに大きな鉢(6号)に植え替えます。新苗は接ぎ口が不安定なので、根元
と茎を持って丁寧に扱いましょう。

 また、ついている蕾はそのまま咲かせると、株が弱りますので、5枚葉の上
で切り取ります。最初の年は株を充実させるのが肝心です。株が生長をはじ
め、新しくシュートが伸びてきたら花を咲かせるようにします。

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(2)宿根アサガオの育て方
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 最近、宿根性のアサガオを目にすることが多くなったようです。イリオモテ
アサガオやリュウキュウアサガオの名前で流通していますが、日本名(標準和
名)は『ノアサガオ』です。

 アサガオやサツマイモと同じイポメア属(Ipomoea)で、オーシャンブルー
はその品種です(アサガオやノアサガオなどをPharbitis 属にする分類もあり
ます)。

<原産地>
 伊豆七島、紀伊半島、四国・九州南部、南西諸島、沖縄、

<性質>
 大変につるがよく伸び、5、6メートルは楽に伸びます。行灯作りにするよ
りも、長い支柱や紐をたらしてよじ登らしてスクリーン仕立てにするとよいで
しょう。また、短日性が強く秋遅くにならないと花が咲きにくい面があります。

<育て方>
 強健で、日当たりと排水さえよければよく育ちます。肥料は控えめにし、特
に窒素肥料を避けて、カリ肥料や草木灰を多く与えると花が早く付くようです。

<繁殖>
 種子(開花時期が遅いと熟しにくい)のほか、挿し芽が簡単で、清潔な川砂
や鹿沼土に挿せばよく発根します。

<冬越し>
 寒さには意外と強く、関東地方南部くらいまでなら露地で越冬します。冬に
なったら、つるを元から切り、根元に腐葉土などを厚めに被せて霜よけをすれ
ばよいでしょう。

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(3)ツツジ・サツキ、シャクナゲ類の手入れ
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 花の咲き終わったツツジ・シャクナゲ類の手入れは、早めに行いましょう。

 生垣や玉作りにしているツツジ類の刈り込みは早めに済ませましょう。サツ
キも、花が終わったらすぐに行います。

 シャクナゲ類は自然樹形で仕立てます。芽吹きが弱いので、枝を切るのは避
けましょう。込みすぎて日陰になっている弱い枝を元から抜く程度です。必要
なのは芽摘みで、1つの節から伸びる芽を全て伸ばすと強い枝にならず、蕾も
余りつかなくなります。

 多数の新芽が伸びてきたら、強い芽を1本か2本残して、残りの芽は元から
折り取ります。このとき、粘っこい樹液が指につかないように、薄手のビニル
手袋をするかポリ袋などを手にかぶせて作業するとよいですね。

 ツツジ・シャクナゲ類で、葉の緑が部分的に薄くなり、かすり模様になるの
はスリップス(アザミウマ類)の被害を受けたものです。夏までは月に2回く
らい浸透移行性の殺虫剤(エカチン、オルトランなど)を散布しましょう。

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(4)チャドクガとカイガラムシ対策
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 これから梅雨時が、病害虫の要注意時期です。特に気をつけたいのがツバ
キ、サザンカ、チャにつく毒蛾(チャドクガ)です。まだ群をなしているうち
にスミチオンやディプテレックスなどを散布して、退治するようにしましょう。

 抜け殻や卵の跡なども見つけて始末しないと、風に飛んだりして肌につくと
トラブルの元になります。この時期に退治しておかないと、秋(8、9月)に
もう一度発生して、被害が拡大します。

 ウメやカリンなどのオビカレハ(ウメケムシ)、サクラなどに多いアメリカ
シロヒトリなども同じ薬で退治できます。

 害虫で厄介なのがカイガラムシです。ウメの幹に黒い小さなこぶのようにし
がみついていたり、マツなどの枝先に白い粉がふいていたりするのはカイガラ
ムシの仲間です。幹についたものは竹ベラなどでこすり取り、枝先についたも
のにはエカチンやデナポンを散布します。

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(5)季節の手入れポイント
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<花壇・ガーデニング>
 冬〜春のナチュラルガーデンの花壇の主役・クリスマスローズの種子が実る
ころです。そのままにしておくと、実がはじけて種子が飛び散ってしまいます
ので、実の色が白茶色に変わってきたら早めに採取します。日陰で乾かしてか
ら紙袋にいれ、種子のまき時の9月中下旬まで冷蔵庫の野菜室で保管します。

 なお、今年は春の気温も高かったので、パンジーやロベリアなどの春花壇が
長持ちしなかったところが多いようですね。早めに夏花壇に模様替えしましょう。

 サフィニアやペチュニアなどを植えるときに、込みすぎたところの枝を1、
2本枝剪定し挿し穂にすれば、今の時期ならば3週間ほどで新しい苗が作れま
す。

<花木・庭木>
 春の花が咲き終わり、サルスベリやムクゲなど夏の花にはやや早い時期です。
アジサイ類やナツツバキ、ヒメシャラなどが楚々と咲くちょっと地味な季節で
すね。

 これから梅雨前頃までは、樹木類は枝葉の充実期です。常緑樹は剪定をして
もよいのですが、落葉樹は禁物です。込みすぎた部分の間引きや徒長枝(勢い
よく伸びた枝)の切り詰めなどにとどめましょう。

 また、病気(予防)や害虫(駆除)の発生時期ですから、薬剤散布の準備を
しましょう。

<花鉢物>
 熱帯性の花木や観葉植物なども外に出せる時期になりました。ただ、日陰に
置いてあった鉢を急に日向に出すと、葉焼けを起こしますので、段階を追って、
徐々に強い光を当てるようにします。

 また、ハイビスカスやエンジェルストランペット、ランタナなどは、庭に植
えつけると、夏中良い花を咲かせてくれます(10月下旬に掘り上げて、鉢に
植え直す)。

 なお、デュランタなどは、根が自由に伸びられる間は花が咲きにくいですか
ら、植え場所を考えましょう。

<家庭菜園・ハーブ>
 先月に引き続き、野菜やハーブ類の種子まきや苗の植付けの時期です。特に
夏に新鮮な味の楽しめるトマトやナス、キュウリなどの果菜類は、充分暖かく
なった今が植付けの時期です。

 苗は、芽出しの双葉まで生き生きとし、節間が詰まってがっちりとして緑の
濃いものが良苗です。また、熱帯性のオクラ、モロヘイヤ、エンツァイの種ま
きの時期です。

 春早めに植えたジャガイモは収穫時期です。2、3日晴れが続いた時に収穫
しましょう。

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(6)イベント情報
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●第32回鹿沼さつき祭(栃木)
 5月31日〜6月9日
 鹿沼市花木センターほか
 連絡先 Tel 0289-63-2188

●さつきフェスティバル(東京)
 6月1日〜7日
 上野公園不忍池畔
 連絡先 Tel 03-3821-8430

●東アジア園芸技術展2003(福岡)
 6月19日〜21日
 福岡市・マリンメッセ福岡
 連絡先 Tel 03-3434-1988

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            English Garden英国大使館賞、オランダ大使館農務部賞、
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