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    園芸ファン通信      【Vol.32】  2003年7月14日号

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 ジメジメとした日が続き、梅雨明けが待ち遠しく感じられる今日この頃です。
しかし、梅雨も終盤に入り、夏はもうすぐです。早く気持ちのいい青空の下で
緑とふれあいたいものですね。

 今回は、今の時期から植えてもすぐに収穫できる夏バテ防止野菜、涼しげで
おしゃれ感のある苔玉の作り方、アサガオを長持ちさせる秘訣、そして夏の花
壇の手入れや種子まきについてご紹介します。

■■■■■■■■■■■■■■■今号の目次■■■■■■■■■■■■■■■

(1)アサガオナ、モロヘイヤ、バジルなら、今、植えてすぐに収穫できます

(2)夏に涼しげな苔玉の作り方のポイント!!

(3)すぐの鉢替えが長持ちさせる秘訣
  ―――アサガオの行灯作り

(4)長く楽しむ夏花壇の手入れ

(5)秋冬花壇の苗を自作する
  ―――バンジー、ハボタンの種子まき

(6)季節の手入れポイント
  ―――花壇・ガーデニング、花木・庭木、花鉢物、家庭菜園・ハーブ

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(1)今、植えてすぐに収穫できるハーブと野菜
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 夏バテ防止には、新鮮な野菜が一番。「しまった、今年は植えてない!」と
いうあなたにお勧めの、栄養価が高く、植えてすぐに収穫できる種類を紹介し
ます。

 <アサガオナ(エンサイ)>
 ビタミンやミネラルが豊富で、サラダやおひたし、油炒めに向いています。
適地は日当たりのよい肥沃地で、株間20センチくらいで定植し摘芯します。

 伸びてきた新芽を10〜20センチで収穫します。水を好むので、水切れし
ないように注意しましょう。

 <モロヘイヤ>
 健康野菜として人気です。和え物、油炒め、おひたしなどに向いています。
株間50センチくらいに定植し、芽先を摘芯して伸びてきた若い芽先を15セ
ンチくらいで収穫します。肥切れしないよう、2週間に1回くらい追肥します。

 <バジル>
 新鮮な香りがスパゲッティーやスープに人気です。1ポットに4、5本植え
られていますから、1本1本ざっくりと切り分けて、プランターか鉢に水はけ
のよい用土で植え、必ず日当たりに置きます。

 最初は3.5号鉢で、育ったら5、6号鉢に移しましょう。10日もすれば
収穫可能です。花が咲かないよう、花穂が立ってきたら摘み取ります。

 このほか、ミント類なら芽先をつんでティーに使えますし、実物なら、ミニ
トマトが早くから収穫できるでしょう。

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(2)清涼感のある苔玉(こけだま)を作りましょう
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 和風でおしゃれ感のある“苔玉”が人気ですね。特に夏場は、涼しげな風情
ですので、室内のインテリアや玄関飾りなどにぴったりです。あなたも、夏向
きの苔玉を作りましょう。

 <用意するもの>
・土
 けと土(ヨシなどが堆積して泥炭化した土。化土とも書く)、微粒赤玉土、
ミズゴケ

・苔
 日当たりに適するギンゴケやホソウリゴケ、スナゴケ、日陰に適するヒメハ
イゴケやヒョウタンゴケが園芸店で入手できます。道路際などに生えている苔
(ギンゴケなどが多い)を利用してもよいでしょう。植える植物によって(日
向向きか日陰向きか)、苔を使い分けます。

・植物材料
 どんな植物でもよいのですが、夏場向きにはフウチソウやアサギリソウ、ギ
ボウシなど、涼しさを感じさせてくれるものがお勧めです。

 樹木ならモミジ類、ケヤキ、ハゼノキなどのやや細幹の素材がよいでしょう。
普通の園芸草花を用いても、風情が出るものです。

・そのほかの材料
 黒色の綿糸、苔玉の下に敷く皿か水盤を用意しましょう。

 <苔玉の作り方>
1.土を練って丸める
 けと土5:微粒赤玉土2:ミズゴケ3の割合で混ぜるのですが、けと土は5
ミリくらいに砕き、ミズゴケはふるいにこすって細かくします。よく混ざった
ら、水を加えて耳たぶくらいの固さになるように練ります。

 練り終わったら、いくつかに分け、それぞれ小さめのおはぎくらいの大きさ
に丸めておくと、使いやすいものです。

2.植物の植え込み
 植える植物の根をほぐし、土を落とします。このときは先の細い竹箸などを
使うと、あまり根を切らないですみます。根の間に、こねた土を練り込み、さ
らに外側に土を被せ、球状に整えます。根が細かく張っているものは、あまり
土を取らず、中に軽く土を詰め、外側に被せるようにすればよいでしょう。

3.苔を貼る
 玉の外側に苔を隙間なく貼っていきます。貼り終わったら、苔が剥がれない
ように糸をきつめに何重にも巻いて固定します。糸を巻くときに、指で強く苔
を抑えながら、巻くのがポイントです。この糸は、苔が生長すると、自然に隠
れてしまい、綿100%ならば、自然に腐っていきます。

4.枝や葉の剪定
 植え込みの作業で、どうしても根が傷んでしまいます。根が傷んだ分、枝や
葉を切り落としてバランスを取ります(目安は1/3くらい)。

5.その後の管理
・水やり
 作り終わったら、目の細かいジョウロでそっと水をやり、ごみや汚れを落と
します。

・置き場所
 最初の7日〜10日は半日陰の風の当たらないところで、養生させ、落ち着
いたら戸外に出します。室内で鑑賞する場合も、2日間室内に置いたら、次の
2日間は外に出すようなローテーションを組むとよいでしょう。

・肥料と水やり
 苔玉は中の土の乾き具合が分かりにくいので注意しましょう。特に、作りた
ては乾きやすいので、しおれ具合を見て早めに行います。

 水やりの目安は、夏は朝夕の2回、秋と春は1日1回程度です。水やりは、
苔玉の上からそっと行い、下の皿などに水がたまるまで行います。苔が水を吸
わなくなったら、水を捨てます。

・肥料ほか
 肥料は、植物の種類によっても違いますが、夏と冬を除いて月2回液肥を与
える程度でよいでしょう。

 苔が伸びすぎた場合は、適度に摘み取って蒸れないようにします。

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(3)アサガオの鉢替え
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 入谷(東京・台東区)などの朝顔市も終わりましたね。そうした朝顔市で買っ
た行灯作りなど、そのまま鑑賞するものと思っていませんか。でも実は、すぐ
に一回り以上大きな鉢に植え替えるのがよいのです。

 というのは、こうした鉢はにぎやかに見せるため、1鉢に3、4本の苗が植
えられています。そのため、すぐに鉢いっぱいに根が回ってしまい、そうする
と花の数が少なくなり、花の大きさも小さくなります。できたら、鉢底から長
く根が出てくる前に、植え替えてやりましょう。

 朝ちょっと早起きし、日が照りつける前にアサガオを行灯枠ごと鉢からそっ
と抜き、新しい鉢に植え直します。用土は市販の培養土でよく、用土に肥料を
混ぜる必要はありません。

 植え替えたら、たっぷりと水やりし、その日は半日陰のところに置き、翌日
から日のあたる場所に移します。1週間位したら、小さじいっぱいくらい、マ
グアンプKなどの緩効性固形肥料を鉢の表面にばらまけばよいでしょう。

 ツンベルギア・アラータなどつる性植物の鉢物も同様に管理すれば、長く花
が楽しめます。

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(4)夏花壇の手入れ
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 <水やり>
 夏の花壇やハンギングの大敵は水切れです。特にトレニアやインパチエンス
は弱いですから、注意しましょう。晴れた日が続く場合は、花壇でも土の乾き
具合を確かめて、2、3日に1回くらい水やりしましょう。

 <花がら摘み・枝抜き>
 長く咲き続ける草花では消耗をさけるために、花がらをこまめに摘み、込み
合ってきた枝や咲き進んで花が少なくなってきた枝は、枝元の葉を2枚(2節)
くらい残して切り戻ししましょう。

 <挿し芽>
 ポーチュラカ、マツバボタン、ニチニチソウなどは、剪定した枝を清潔な川
砂や赤玉土に挿せば、10日ほどで発根します。

 <追肥>
 元気よく伸びている株には追肥しましょう。2週間に1回くらいの割で液肥
を与えるか、2か月に1回マグアンプKなどの緩効性肥料を1鉢に小さじ1杯
くらい与えればよいでしょう。

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(5) 夏の種子まき
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 デフレの時代ですが、花壇用の苗はあまり安くなっていませんね。ガーデニ
ングはご自分で種子をまき、苗を育ててこそ、本物なのではないでしょうか。

 ちょうどこれからがハボタンやパンジー・ビオラの種子まきの時期です。ぜ
ひ今年は、夏の種子まきに挑戦しましょう。一袋まけば相当苗が作れ、倹約に
もなります。

 <ハボタン>
1.まき時期
 ふつうは7〜8月です。寄せ植え用の小苗作りなら9月です。

2.まき床と用土
 平鉢に清潔なピートモスとバーミキュライトを等量混合します。

3.まき方
 鉢全面にばらまき、覆土は1センチくらいです。

4.発芽までの管理
 まき終えたら腰水し、発芽まで管理しましょう。

5.移植
 4、5日で発芽します。本葉が出てきたら3センチ間隔で移植し、1か月後
に10〜12センチ間隔で移植します。発芽したら、5〜7日おきに液肥を与
えましょう。

6.注意
 青虫がついたら、サイアノックス乳剤を散布します(スミチオン乳剤は薬害
が出やすいので使わないほうがよい)。

 <パンジー・ビオラ>
1.まき時期
 8月下旬から9月上旬(関東地方標準。寒冷地ならば2週間くらい前、暖地
ならばその分遅くする)に行いましょう。

2.低温処理
 パンジー・ビオラは種子をまく前に低温処理が必要です。低温処理は種子を吸水
させてから、冷蔵します。

3.低温処理の期間
 1か月ほど必要です。まく時期に合わせて低温処理を始めます。

4.低温処理の方法
 深めの小皿の底にさらした木綿などの小布を敷き、水を注いで湿らせ、その
上に種子を置きます。小皿の表面をサランラップで覆って密閉し、冷蔵庫の野
菜室に保管(種子のまき方は次回に紹介します)します。

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(6)季節の手入れポイント
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 <花壇・ガーデニング>
 長雨のシーズンもそろそろ、終わりにかかっているようです。梅雨の間、あ
まり手入れのできなかった花壇では、病害虫が発生していたり、茂りすぎた株
もでてきます。

 早めに見回って、薬剤散布や害虫の捕殺、茂りすぎた枝の剪定をして、夏に
備えましょう。

 <花木・庭木>
 ツバキ・サザンカ、ウメ、ツツジ・シャクナゲ類などの春咲きの花木類は、
これからの時期に来年の花芽を作ります(これを「花芽分化」といいます)。
今の時期に枝を切ったり、肥料をやったりすると、この花芽分化のメカニズム
が乱されますので注意しましょう。

 株の根元から出た台芽や徒長枝の切り詰め、ほかは特に込みすぎた枝の間引
きや、伸びすぎた枝の先を止める程度にします。また、病害虫の発生も多い時
期です。

 *病害虫防除については、協会のホームページ季節の園芸作業7月号に詳し
く載っています。ご覧ください。
=> http://www.gardening.or.jp/colum/index.html#bojyo

 <花鉢物>
 梅雨が明けると、多くの鉢物類には厳しい日本の夏が始まります。これまで
日当たりに置いていたフクシアや球根ベゴニア、シャコバサボテン、マーガレッ
ト、ユーリオプシスデージー、シンビジウムなども強い直射日光の当たらない、
半日陰程度の風通りのよい涼しい場所に移しましょう。

 なお、鉢物類の水やりは朝の涼しい時間にたっぷりと与えます。夕方までに
土が完全に乾いてしまう場合は、置き場所を変えるか鉢を一回り大きなものに
植え直しましょう。

 <家庭菜園・ハーブ>
 ナスやトマト、キュウリなどの夏野菜の収穫の盛期になります。肥切れさせ
ないよう、2〜3週間おきに定期的に追肥をあたえ、根元に土寄せしましょう。

 また、晴天が続くようになったら、土が乾燥しすぎないように涼しい朝か夕
方にたっぷりと水やりしましょう。

 ハーブ類は夏の高温多湿を嫌う種類が多いので、茂りすぎた株は枝を切りす
かし、ラベンダーなど、花が終わった株は切り詰めます。 

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