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    園芸ファン通信      【Vol.36】  2003年10月3日号

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 今年は、冷夏の後は厳しい残暑が続きましたね(でも冷静に考えると例年並
のような気も)。そして、急に気温が下がって秋になったのかなと思ったら、
また暑い日が戻ったり、という気まぐれな陽気で振り回されてしまいました。
秋の園芸シーズンは短い感じですので、球根の植え付けや種まきなど、急いで
済ませなければならないようです。

■■■■■■■■■■■■■■■今号の目次■■■■■■■■■■■■■■■

(1)今が適期、クリスマスローズの植え替え

(2)秋の花を見事に咲かせるために
  ―――バラの薬剤散布

(3)気温にあわせて取り込む
  ―――熱帯花木、観葉植物の手入れ

(4)秋の手入れで必ず咲かせる洋ランの手入れ

(5)庭の模様替えに常緑広葉樹の植え付け

(6)季節の手入れポイント
  ―――花壇・ガーデニング、花木・庭木、花鉢物・観葉植物、家庭菜園・
       ハーブ

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(1)クリスマスローズの植え替え
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 クリスマスローズを鉢で栽培していて、急に弱って、枯れないまでも草勢を
衰えさせてしまうことがあります。その原因は、大部分が根詰まりのようです。
クリスマスローズの仲間は、地上部に比べて根部が大きいので、鉢植えだと根
詰りしやすいのです。根詰まりになると、水が土にしみこまなくなったり、排
水不良を起こして根が傷んでしまうのです。鉢植えの場合は、2年に1回は植
え替えしましょう。

 <植え替えの時期>
 植え替えの時期は花後でもよいのですが、生育期に入ったばかりの9〜10
月に行うと、植え痛みが少なくてすみます。

 <植え替えの方法>
(1)鉢からそっと抜く。うまく抜けない場合は、鉢を割ってもよい。

(2)根をいためないようにヘラなどで回りの土を1/3ほどおとし、痛んで
黒くなった根を切り取る。植え替えが遅れて、根が固く絡まってしまったもの
も、ていねいにほぐす。

(3)新しい用土(赤玉土4、腐葉土4、川砂2+貝石灰少量)で、一回り大
きな鉢に植え直す。株が茂りすぎたものは、このとき、株分けをしてもよいで
しょう。

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(2)バラ・秋の手入れ
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 今年は残暑がきつく、夏の剪定のタイミングが難しかったですね。でも、8
月下旬〜9月上旬に剪定できたバラ(H・T系)は、そろそろつぼみが大きく
なってきたはずです。

 ただ、今年はまだ気温が高いので、病害虫の被害が出やすいですから気をつ
けましょう。昼と夜の温度差が大きいと出やすいうどんこ病(ミラネシン、ト
リフミン)、雨が多いと被害が広がる黒点病(ダコニール、サプロール)には、
降雨の前後に薬剤散布を行いたいものです。

 また、害虫ではアブラムシ(オルトラン)、ハダニ(ケルセン、オサダン)
の防除も必要です。また、花が終わったら、花がら摘みを行いましょう。 

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(3)観葉植物や熱帯花木、花鉢物の取り込み 
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 さすがに昼間は汗ばむ気温でも、夜間は涼しさを感じるようになりましたね。
夏の間、戸外で過ごさせた観葉植物や熱帯花木、寒さに弱い花鉢物は、そろそ
ろ室内に取り入れる準備が必要です。

 <取り入れる前の準備>
●害虫の防除 
 アブラムシやカイガラムシ、ナメクジなどを持ち込まないように、葉の裏や
株元、鉢の裏などをチェックしましょう。あらかじめ取り込む前に、スミチオ
ンやオルトラン乳剤を散布して、退治しておくのもよいでしょう。

●長く伸びた枝やツルを切り詰め、茂りすぎたところの枝は間引きます。

●エンジェルストランペット、ハイビスカスなど庭に植えて育てたものを、鉢
に上げて冬越しさせる場合は、掘り上げる1か月くらい前に、根鉢よりも1回
り小さくスコップを入れて太根を切り、細根を出させておく(この作業を根切
りといいます)と、植え替えしやすくなります。

●植物の幹を布で、鉢の周囲をたわしなどで洗い、ごみや汚れを落としておき
ます。

 <取り入れる目安>
●最低温度が15℃くらいになったら取り入れる種類
 高温性のアローカシア、アカリファ、アンスリウム、カラテア、カリアンド
ラ、クロトン、サンセベリア、セントポーリア、フィトニア、プルメリア、ポ
インセチア、ユーチャリス(アマゾンリリー)など

●最低温度が10℃くらいになったら取り入れる種類
 中低温性のアジアンタム、アナナス類、カラジウム、ジャガランダ、ドラセ
ナ、ハイビスカス、パキラ、フィロデンドロン、ブーゲンビレア、ペペロミア、
ポトスなど

●最低温度が6、7℃になったら取り入れる種類
 低温性のアスパラガス、アブチロン、インドゴムノキ、クワズイモ、クジャ
クサボテン、クンシラン、ゲッカビジン、シェフレア、ヂュランタ、トケイソ
ウ、トラデスカンチア、ランタナなど

 <室内での管理の注意>
 日照を好むものは、窓際の明るいところに置き、日照に弱いものはレースの
カーテン越しのところに置くなど、置き場に注意しましょう。10月中はまだ
光が強いので、室内の日当たりは温度が上がりすぎることがありますので、注
意が必要です。また、室内は戸外よりも空気が乾燥していますので、土の乾き
方をチェックするとともに、葉水などを与えるようにしましょう。

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(4)洋ランの手入れ 
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 最近は、洋ランも値段が下がってきましたので、ご家庭で楽しまれる方も多
くなっているようです。でも、洋ランは種類が多く、冬に花の咲くものでは、
秋に株の充実期を迎える種類や花芽分化するものがあります。そのなかで、シ
ンビジウムやデンドロビウムでは、ほかと違った管理が必要です。

●シンビジウム 
 新芽のバルブが完成し、花芽ができる時期です。戸外で、よく日にあて、水
やりは植え込み材料の表面が白く乾いてきたら与えるようにします。肥料は、
バルブが充実したものには不要で、まだバルブが完成していないものには骨粉
を与えます。
	
●デンドロビウム
 充実したバルブが、夜間温度10〜13℃に2週間くらい当たると花芽がで
きます。戸外の日のよく当たるところで管理し、雨には当てないようにします。
水やりは、植え込み材料の表面が白く乾いてきてから与えるようにします。肥
料は不要です。

 バンダやファレノプシス(こちょうらん)、デンファレ、カトレア、中高温
性のパフィオペディルムは、上旬には室内や温室に取り込みます。

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(5)庭木の植え付け 
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 気温の低下とともに、樹木の活動も衰えます。今月の中旬頃までが、常緑広
葉樹類の植え付けや移植の時期です。

 <植えられる種類>
 オオムラサキ、カルミア、キンモクセイ、ギンモクセイ、サザンカ、サツキ、
センリョウ、ツバキ、ナンテン、ヒイラギナンテン、マテバシイ、モッコク、
モチノキなど

 落葉樹は、落葉が始まってからが適期になります。

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(6)季節の手入れポイント 
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 <花壇・ガーデニング>
 これからが、チューリップやクロッカスなど秋植え球根の植え付けの時期で
す。秋花壇がまだ盛りの場合は、ビニールポットなどに仮植えしておき、秋花
壇が終わったら、パンジーやハボタンなど冬春花壇の草花と一緒に植えつけれ
ばよいわけです。

 花壇が開いていれば、ビオラやパンジーで冬花壇を作り、その下に球根を植
えればよいでしょう。でも、ビオラ・パンジー、シクラメン(ミニ)などが
10月の初めに売り出されるようになっているのには、驚かされますね。また、
スイートピーやアイスランドポピーなどの種子まきの時期です。

 <花木・庭木>
 今年は冷夏で雨が多かったせいか、キンモクセイの開花が少ないような気が
します。あなたのお庭ではいかがですか。キンモクセイが咲くようになると、
庭木の世界も秋冬の手入れになります。

 花が終わった夏秋咲きの花木類や収穫の終わった果樹類、これから開花する
サザンカなどにはすぐに効きだす緩効性肥料を、花芽のできている春咲きの花
木には堆肥や油粕などの遅効性の肥料を施せばよいでしょう。

 また、今月の下旬は、生垣の止め刈りの時期です。ただ、サツキ・ツツジ類、
ドウダンツツジ、サザンカ・ツバキなどでは、すでに花芽ができています。こ
れから、強い刈り込みをすると、せっかくの花芽を切ることになってしまい、
来年は花が少なくなってしまいます。ある程度、形の維持できている場合は、
飛び出ている枝だけを切り取る程度にしておくと花が多く楽しめます。

 <花鉢物・観葉植物>
 気温が下がり、日が短くなるにつれ、植物の生育も落ち着いてきて、土の乾
きも遅くなります。それにあわせて、水やりも控えめにしてゆきます。“水を
控えめ”というのは、水の量を少なくするのではなく、水やりの間隔を長くす
るのです。土の表面が白く乾いてきたときが、次の水やりのタイミングです。
先月(9月)に挿し芽をしたもので、根付いて新芽が動き出したものは、順次
ポットにあげてゆきます。

 <家庭菜園・ハーブ>
 夏の終わりから秋早めにまいた野菜類は生育が進み、ハクサイ、ダイコン、 
レタスなどでは追肥や土寄せの時期です。また、気温が下がるにつれホウレン
ソウ、チンゲンサイ、コマツナなどのまき時になります。生育がよい時期です
から、期間をずらして種子をまけば、順次収穫してゆくことができます。

 タイム、オレガノ、ラベンダー、ミント類など耐寒性の強いハーブの植え付
け、移植は今月中旬頃までにすませましょう。

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