日本園芸協会 日本園芸協会

 園芸ファン通信 VOL.66

今年の冬は寒さが厳しかったですね。ウメの開花は平年よりも1週間〜10日ほど遅かったところが多いようです。
サクラの開花が気になりますね。
春の種子まきや球根の植え付けは、このサクラ(ソメイヨシノ)の開花が作業時期の目安になります。

■マーガレットの楽しみ

春を代表する花鉢物といえばマーガレット。
花色も白〜ピンク・赤に黄色系も出回り、花型も半八重咲きに八重咲きとバラエティーがふえ、コレクションの楽しみもましました。
もともと、丈夫で育てやすい草花ですが、長く楽しむためには、本来の性質にあわせた管理をするようにしましょう。

八重咲きマーガレット「エンジェリック・スノー」
八重咲きマーガレット「エンジェリック・スノー」。
赤花マーガレット「ブライト・カーマイン」
赤花マーガレット「ブライト・カーマイン」。
桃色マーガレット「ノービア」
桃色マーガレット「ノービア」。
黄花マーガレット
黄花マーガレット。


◆原産地
大西洋上に浮かぶカナリア諸島。

◆性質
キク科の草本性の小低木(ないし茎が木化する草本)。冬暖かく、夏は比較的涼しい気候を好みます。

◆置き場所
関東以南の暖地なら露地で越冬しますが、強い霜の降る地域では陽だまりの軒下に取り込みます。関東以北では室内の日の良く当たる窓辺で越冬させます。夏の高温多湿にも弱いので、盛夏は風通りのよい涼しい半日陰の所。

◆施肥と水やり
開花が続いている間は、2週間に1回ほど追肥を与えます。後は秋に緩効性の粒状肥料を一つまみほど与えればよいでしょう。水やりは、鉢土の表面が白く乾いてきたら、鉢底から水が流れ出る程度たっぷりと与えます。

◆剪定と植替え
花後、枝のもとまで切り詰め(株が老化して花つきが悪くなったら、株もとまで切り詰めて、新しい芽を出させて更新します)、秋早めに、枝先を軽く切り戻すと、枝数がふえ、花数が多くなります。植替えは、2年に1回、花後に行います。

◆ふやし方
挿し芽でよく活着します。適期は春(5月)か秋(9月)で、新芽を10cmほど切り取り、清潔な川砂か鹿沼土に挿せば、1か月ほどで発根します。マーガレットは、株が老化しやすく、急に枯れることがありますので、挿し芽で予備の苗を作っておくようにしましょう。

◆鉢を入手したときの注意
マーガレットの鉢物は、株の大きさ大きさに比べて小さめの鉢に仕立てられていることが多くあります。
入手したら、そっと鉢から抜き、一回り大きめの鉢に植え直すと、開花期間が長くなります。


■野菜・ハーブの種子まきと植えつけ

3月になると、家庭菜園も忙しくなります。ハーブや野菜の苗が出回り始め、中旬になれば、家庭でも種子がまけるようになります。冬野菜の収穫や畑の整備は早めに済ませておきましょう。

ホウレンソウカブコマツナは露地で、ネギパセリはトンネルを作ってまきます。パセリは本葉1、2枚で移植しましょう。
ハーブでは、ミント類レモンバームタイム類ロケットチャービルの種子がまけます。平鉢でまき、風の当らない日溜りで管理します。遅霜の心配があるときは室内や軒下に取りこみましょう。

種子まきは苦手という方は、苗から始めるのがよいですね。野菜苗は、双葉が黄化せずしっかりついているものを選びましょう。ハーブ苗の場合も同様です。なお、野菜苗もハーブ苗も遅霜の恐れがなくなってから定植します。

また、暖かくなるにつれ、害虫類が出始めます。アブラムシが出たら、少ないときは手でつぶし、多いようでしたら、生の牛乳をスプレーしてやりましょう(2日おきに3回くらい)。冬越しさせたハーブでは、そろそろ芽が動き出してきます。固形の化成肥料か液肥を与え、元気づけてやりましょう。


■花木・果樹・庭木の入手の好機です 

今月は各種花木・庭木類、果樹類の植付けの時期。各地で植木市が開かれますし、ガーデンセンターなどでも種類が多くなります。植木市などで購入するときは、なるべく早く出かけて、よい木を選ぶこと。品種ものは花を確認してから選ぶようにすると、トラブルを避けることができます。枝ぶりだけでなく、幹の模様や根の張り具合も大切です。しっかりと確かめましょう。ツバキ、ボタンやフジ、ツツジ・シャクナゲ類などでは、鉢植えの物を購入し、花が終わったら、庭に植えるようにしてもよいでしょう。

黄花マーガレット 黄花マーガレット
写真左:春化粧 写真右:ブルーハワイ

なお、蕾つきのシャクナゲは付いている蕾をすべて咲かせてしまうと、翌年の花が少なくなってしまうことが多くあります。
全体の1/4〜1/3くらいの枝は、蕾を摘んで、強い芽が伸びるようにします。
シャクナゲ・ツツジ類は、酸性土を好みますので、植えつける土には、酸度調節をしていないピートモスを1/3くらい土に混ぜ込んで植えつけると良いでしょう。

1本立ての果樹苗は、幹を3、40センチに切り詰め、支柱を立てて植えつけます。


■草花の種子まきと球根の植えつけ

ガーデニングもシーズンイン。草花類の種子まきや春植え球根の植付けの時期が近くなってきました。
種子や球根などは早めに手配しておきましょう。

種子まきの目安は低温で発芽するコスモスやアスター、ナスターチウムなどはソメイヨシノが散る頃、もう少し温度が必要なアゲラタムやジニア、ペチュニアはヤエザクラが咲き始める頃、高温性のサルビアやマリーゴールド、ケイトウ類はヤエザクラが散る頃、アサガオやヒョウタンはさらに10日くらい遅くなります。

春植え球根の植えつけは、ダリアやグラジオラス、ゼフィランサスなどは、遅霜の恐れがなくなったら植えつけられます。
アマリリスは少し遅く、ソメイヨシノが咲き出す頃、熱帯性のカンナやジンジャーはヤエザクラが咲き出す頃を目安にしましょう。球根ベゴニアは球根を入手したら、早めに暖房のある室内で、催芽をし、芽が伸びてから本鉢に植えます。

*協会のホームページ『季節の園芸作業(2004.3月号)』に、球根ベゴニアの植え付けの図解が載っています。 ご覧ください。


■季節の手入れポイント

<花壇・ガーデニング>
パンジー・ビオラなどの春花壇が見事になってきました。株のボリュームがまし、蕾の上がる数も多くなりました。それだけに肥料が切れると、株の勢いが止まってしまいます。新しく咲く花が小さくなったり、次の蕾が上がるまで間があくようになるのは注意信号です。急ぎのときは、液肥で、余裕のあるときはマグアンプkなどの緩効性固形肥料を追肥しましょう。花がら摘み、大きくなりすぎた株や伸びすぎた枝の剪定も忘れずに。

また、これからパンジー花壇や寄せ植えを作るときは、株間を多めにとって作るのがポイントで。

<花木・庭木>
例年よりも開花が遅かったロウバイも花が終わり、ウメも終わり始めた木も出てきているようです。
花が咲き終わった花木は、早めに剪定をしましょう。
自然樹形で仕立てるロウバイやサンシュユは、花後すぐに、こみすぎた枝を間引き、樹形を整えます。
あまり強い剪定を行なうと、逆に木が暴れて徒長枝(夏に切り取る)を多く出すので注意しましょう。
台芽は見つけ次第切り取ります。花ウメは、葉芽のある枝は、芽を2、3芽残して枝を切り戻し、葉芽のない枝は、枝の基部を少し残して切り詰めます。
実ウメの場合は、花後剪定はせず、そのまま伸ばします。サザンカはそろそろ花が終わってくる頃です。
花が咲いた枝は、来年はよい花をつけませんから、枝の基の方に2芽くらい残して枝を切り詰め、花が咲かなかった枝は来年花が咲きますので、大切にします。
ただ、残す枝のバランスを見て、混みすぎるようなら、こうした枝も2、3芽残して切り詰めます。ツバキも花が終わった木から、同様に剪定をします。

また、お彼岸を中心に植木市が開かれるところも多いようです。早めに出かけて、気に入った樹木を入手し、植えつけましょう。

サルスベリやザクロ、アベリア、キョウチクトウなど夏咲き花木類でまだ手を入れていないものは、芽が伸び出す前に剪定しましょう。

<花鉢物>
春の花鉢物は、温室で保護されて栽培されたものですから、園芸店に並べられると、傷みやすい面があります。
入手は、並べられてすぐの鉢を選び、購入したら、強い風の当らない日溜りにおき、夜は暖房の風の直接当らない室内に取りこみましょう。

室内や軒下で咲かせていたプリムラ類やマーガレット、ゼラニウムなどは、霜が降りなくなったら、外の日当たりに移します。花の咲いているあいだは、花がら摘みと追肥を忘れずに。

室内で越冬させていたクンシランはそろそろ、花芽が上がってくる頃、クジャクサボテンも花芽が作られる頃ですので、日によく当てるようにしましょう。ともに肥料は不要です。

<家庭菜園・ハーブ>
種いよいよ本格的な春の種子まきシーズンが始まります。また、ダイコンやタカナ類、ホウレンソウ、ニンジンなど冬越しした野菜や畑において利用してきた種類も、春になるととう立ちして、利用できなくなりますので、早めに収穫しましょう。

霜の終わった地方では、寒さに強いタイムやミント類などのハーブ類の種まきや苗の植えつけ、植え替え、株分けが行えます。


■イベント情報

●フラワードーム2006―あいち花フェスタ・名古屋国際蘭展(名古屋・ナゴヤドーム) 3月17日〜22日
連絡先 Tel 052-221-0956

●2006日本フラワー&ガーデンショー(千葉市・幕張メッセ) 3月24日〜26日  
連絡先 Tel 03-3836-9043 http://www.kateiengei.or.jp

●世界バラ会議大阪大会(大阪市鶴見区・鶴見緑地「水の館ホール」) 5月11日〜17日
連絡先 06-6631-8760 http://www.worldrose-osaka2006.jp/jp/index.html

●第8回国際バラとガーデニングショウ(埼玉県所沢市・インボイスSEIBUドーム) 5月19日〜24日
連絡先 Tel 03-5551-9542   http://www.bara21.jp/index.html


日本園芸協会のホームページには役立つ園芸情報をたくさん掲載しています。
毎月の植物の手入れ方法をご紹介する「季節の園芸作業」はこちらから。

http://www.gardening.or.jp/colum/index.html

植物に関するいろいろな情報を満載したサイト「植物博物館」です。
植物を鑑賞したり、図鑑のように調べたり、様々な情報を無料で得ることができます。

http://www.horcul.com/top/

園芸ファン通信を、テキスト形式でご希望の方は
お手数ですがこちらからお申し込みください。。
http://www.gardening.or.jp/mail/index2.html


【園芸ファン通信に関するご意見、ご要望】
info@gardening.or.jp

【登録解除、アドレスの変更】

http://www.gardening.or.jp/mail/index2.html

※このメールは、園芸ファン通信の配信を希望された方にお送りしています。
※園芸ファン通信に掲載された記事を転載希望の方はご連絡ください。

※バックナンバーは下記でご覧になれます。  
http://www.gardening.or.jp/mail/index.html


http://www.gardening.or.jp/mail/htmlmail/066/mailmaga_66.html


日本園芸協会 〒151-8671 東京都渋谷区元代々木町14-3  
http://www.gardening.or.jp