日本園芸協会 日本園芸協会

 園芸ファン通信 VOL.67


■買い物情報

●新しい花鉢物
町の園芸店やガーデンショーで見かけた新しい花を紹介します。

・コンボルブルス・クネオルム Convolvulus cneorum。
北アフリカ原産のヒルガオ科の多年草。日当たりと水はけを好む。
丈夫だが過湿に弱いので、長雨の時は軒下に取り込む。多肥(特にチッソ肥料)も避ける。
耐寒性は−5℃ くらい。枝が伸びすぎたときは刈り込んで形を整える。

・ピメレア・ロゼア Pimelea rosea。
オーストラリア原産のジンチョウゲ科の常緑低木。一般に「ピメレア」として出回るのはこの種類。
花後に花首まで切り戻すと、ふたたび咲くことが多い。
高温多湿に弱いので、花が終わったら半日陰の涼しいところに置き、水やりは控えめに(ただし、夏場の水切れに弱いので注意)。長雨の時は軒下に取り込む。寒さには弱い(5℃くらいまで)ので、冬は室内に取り込むほうが安心。

・ポリガラ Polygala myrtifolia var.grandiflora。
南アフリカ原産のヒメハギ科の常緑低木。
一般に「ポリガラ」として出回るのはこの種類。日当たりのよいところで水やりは控えめで管理(ただし、夏場の水切れに弱いので注意)。花後に刈り込み、夏場は風通しのよいところで夏越しさせる。
寒さには弱く(5℃くらいまで)ので、冬は室内で。

コンブルブルス・クネオルム
コンブルブルス・クネオルム
ピメレア・ロゼア
ピメレア・ロゼア
ポリガラ・ミルティフォィア・グランディフロラ
ポリガラ・ミルティフォィア・グランディフロラ


■春植え球根の植えつけ

夏から秋の寄せ植え花壇やコンテナを長期間飾ってくれる春植え球根類は、利用価値が高い種類です。
低温に強いダリアやグラジオラスなどはそろそろ植え時期です(熱帯性のカンナやジンジャーなどはもう少し後になります)。

<ダリアの栽培>
植え時期
ソメイヨシノの開花が目安で、遅霜の心配がなくなったら植え時期です。
鉢に仮植えし、暖かい室内の日当たりで催芽し、芽が伸びてきてから定植するようにしてもよいでしょう。
植え場所
日当たりがよく、水はけのよい肥沃地。
普通の庭土の場合は、バケツ1杯分くらい堆肥を混ぜておけばよいでしょう。
鉢やコンテナ植えの場合は、市販の培養土でよいのですが、水はけの悪そうな場合は、1/4くらい堆肥と赤玉土を混ぜておけばよいでしょう。
植え方
球根は横にして、深さ3〜5センチに植えます。
同時に、芽が出る首のところ(クラウンといいます)に支柱を立てておきます。
植え付けの間隔は大輪系統は80〜100センチ、小輪系は50センチくらい。
鉢植えの場合は、大輪系は8号鉢以上、小輪系は7号鉢に1球植えくらいです。
肥料
リン酸分が多めに入った配合肥料を1掴みくらい、球根の周りに混ぜ込んでおけばよいでしょう。
追肥は夏に速効性の化成肥料を株元から少し離して(10センチくらい)浅く埋め込みます
脇芽かきと摘芯
芽が伸びてきたら、一番強い芽を残して、ほかの芽は元から摘み取ります。
大輪・巨大輪系は主幹だけを伸ばして脇芽が出たら摘み取るようにし、中小輪系は主幹が10センチくらいに伸びたら摘芯し、次に伸びてきた枝も適度に摘芯して枝数を増やして花の数を増やすようにします。  

<グラジオラスの栽培>
植え時期
遅霜の恐れがなくなったら植え時です。植えつけて大体3か月で花が咲きますので、時期をずらして植えつけると、同じ品種を使っても長期間花を楽しむことができます。ただ、遅くても5月下旬には植え終わるようにします。
植え場所
ダリアと同じような場所でよいでしょう。水はけの悪い場合は、高畝にして植えるようにします。
植え方
列植する場合は列の間隔を30センチ、株間を10〜15センチとればよいでしょう。植える深さは球根の高さの2倍程度です。
肥料
化成肥料(チッソ、燐酸、カリが等量配合くらい)を1平方mあたり100グラムくらい元肥として土に混ぜ込み、追肥は本葉が3、4枚になったら、やはり化成肥料を1株あたり20グラムくらい株元から少し離して(6、7センチ)埋め込みます。 土寄せと支柱立て  強い風が当たると花茎が折れたり曲がったりしますので、花茎が見え始めたら株元に土寄せし、支柱を立ててやります。

<そのほかの球根の栽培ポイント>
・アマリリス
暖地以外は鉢植えが無難。鉢の大きさは6〜8号くらい(大球の場合)。用土は市販の培養土に赤玉土を2割くらい混ぜて排水をよくしたもの。肥料は芽が伸びてきたら、マグアンプKなどの緩効性粒状肥料を一つまみ(月1回、夏を除く)。
・カラー(カイウ)
普通の庭植え用のキバナカイウやモモイロカイウは4月に植えられるが、湿り気を好むオランダカイウや四季咲きカイウの植え付けは5月になってから。株間は15センチくらい、植える深さは5〜10センチ。


■ペチュニア花壇をつくろう 

ペチュニアや近縁種のカリブラリアの育種が進み、毎年新しい品種が発表されています。花色や輪の大小、耐雨性の強い品種などいろいろ紹介されています。ペチュニア類だけでカラフルな花壇や寄せ植えが作れそうですね。今年も素敵なペチュニア花壇を楽しみましょう。

エポック・イエロー リリカシャワー・オレンジ
写真左:ペチュニアではまだ珍しい黄色系の「エポック・イエロー」(2006日本フラワー&ガーデンショウにて) 
写真右:ペチュニアの近縁種・カリブラリア「リリカシャワー・オレンジ」(2006日本フラワー&ガーデンショウにて)


<ペチュニア花壇つくりのポイント>
・日当たりと水はけのよいところ
育種によってだいぶ改良されましたが、まだ高温多湿には弱い面が残っているので、花壇の設置場所には注意しましょう。できれば、雨のあたらないところがベストです。
・早めのピンチで枝数をふやす
枝が伸びている場合はすぐに。そうでない場合は植えつけて落ち着いた頃枝先を摘んで、枝数をふやしこんもり茂らしましょう。
・肥料を定期的に与えて、肥切れを避ける  
次から次と長期間花を咲かせてくれる草花類は肥切れさせないように。1か月くらい肥効が続く固形肥料を定期的に与え、液肥(10日おきくらい)を追肥するとよいでしょう。 なお、ペチュニア類は低温に強いので、春先に挿し芽をして苗を作るのが効果的。今、挿せば5月の初めには立派な苗になります。

<ペチュニアの挿し芽の方法>
1.枝先を7〜10センチに切り、下のほうの葉を1/3ほど切り取る。  
2.切り口を鋭利なナイフで切りなおし、1、2時間水揚げする。  
3.挿し芽の用土は、清潔な川砂か鹿沼土、赤玉土など。  
4.平鉢やイチゴパック(底に穴を開ける)などに用土をいれ、箸などで挿し穴を開ける。  
5.水揚げした挿し穂を2、3センチの深さほど挿し穴に挿し、元を指で押さえる。
6.挿し終わったら目の細かいジョウロか水差しでたっぷりと水やりし、強い風の当たらない半日陰のところで、管理する。
7.新しく芽が動いてきたら、徐々に光に当てるようにする。  バーベナ、ビデンス、トコナツ・ナデシコ類、コエビソウ、ミント類、ツバキやアジサイ、サツキ・ツツジ類、イヌツゲ、ジンチョウゲなども同様に挿し芽できます。



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■季節の手入れポイント

<花壇・ガーデニング>
暖冬の年は花壇に植えたパンジーやビオラ、キンギョウソウなどの草花の成長が早く、茂りすぎによる蒸れや肥料切れがおきやすくなります。状態に応じて枝抜きをし、追肥や花がら摘みをしましょう。春植え球根の植え付け、春まき草花の種子まきをしましょう。なお、病害虫の多いバラは芽出しから週に1回、殺虫剤(スミチオンなど)と殺菌剤(ダコニールなど)を混合散布しましょう。

<花木・庭木>
サクラに続いて各種の花が咲き出し、新緑も鮮やかになります。咲き終わった花木から、剪定やお礼肥えなどの手入れをしましょう。また、アブラムシなどが活動を始めますので、薬剤散布も必要になります。ウメやモミジ・カエデ類は薬に弱く、薬害を起こしやすいですから、葉が固まるまで待ってから散布するようにしましょう。小さな木の場合は、手でつぶすのが安全です。庭木類の植えつけは早めに、早春に新しく植えた木には、晴れた日が続く場合は水やりをします。

<花鉢物・観葉植物>
シクラメンやプリムラなど、長く咲きつづけてくれた鉢花も終わりに近づいてきたようです。様子を見ながら、追肥や花がら摘み、枯れた葉の抜き取りをしましょう。ハイビスカスやブーゲンビレアなど、葉を落したり、半落葉で越冬した種類も芽が動きだしてくる頃です。様子を見ながら徐々に水やりをふやしてゆきましょう。鉢が小さくなっているものは、気候が安定するのをまって(4月下旬以降)、植え替えをしてやります。低温に弱いクロトンやサンゴアブラギリなどは傷んでしまうことがありますから、最低温度が12〜3℃を割ることがなくなるまで待ってからが安全です。なお、冬の間、あまり光を当てていなかった種類を急に日に当てるのは、禁物。葉焼けを起こしてしまいます。こうした場合は、薄日の光から慣らしてゆきます

<家庭菜園・ハーブ>
先月に引き続き、野菜やハーブ類の種子まきや苗の植付けの時期です。遅霜に注意しながら行ないましょう。また、冬越しさせた野菜類は、日が長くなるととう立ちして、食べられなくなります。なるべく早めに収穫しましょう。気温が上昇するにつれ、アブラムシやアオムシなどの発生が多くなります。アブラムシは早めに見つけて手でつぶすか、生の牛乳をスプレーします。アオムシの場合は手でつぶすのが一番です。

■イベント情報

●大阪フラワー・ガーデンショウ2006(大阪) 4月21日〜23日
大阪市鶴見区・花博記念公園 連絡先 Tel 03-6694-8788

●世界バラ会議大阪大会(大阪市鶴見区・鶴見緑地「水の館ホール」) 5月11日〜17日
連絡先 06-6631-8760 http://www.worldrose-osaka2006.jp/jp/index.html

●第8回国際バラとガーデニングショウ(埼玉県所沢市・インボイスSEIBUドーム) 5月19日〜24日
連絡先 Tel 03-5551-9542   http://www.bara21.jp/index.html


日本園芸協会のホームページには役立つ園芸情報をたくさん掲載しています。
毎月の植物の手入れ方法をご紹介する「季節の園芸作業」はこちらから。

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植物に関するいろいろな情報を満載したサイト「植物博物館」です。
植物を鑑賞したり、図鑑のように調べたり、様々な情報を無料で得ることができます。

http://www.horcul.com/top/

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