日本園芸協会毎月の庭木の手入れ
ENJOY!

■3月■ 4月 ■5月■
平均気温: 帯広5.0度 札幌6.1度
仙台9.6度 東京13.5度 新潟10.4度
京都13.1度 松山13.4度 鹿児島15.6度

 3月の終わりから萌え出た新芽は、今年に入ると葉を広げ緑一色に変わり、芝生も生き生きとしてきます。上旬にはサクラが満開となり、ドウダンツツジ、ザイフリボク、ライラック、ハナミズキ、カイドウなどが咲きそろって春らんまんの候となります。

(1)春ざしの適期です
 さし木というのは、枝の一部を切り取って地中にさして発根させる方法です。簡単に苗ができ、親と同じ形質のものが確実に得られますので、種子のできないものや枝変りのものをふやすのによい方法です。ただ樹種によってはさし木できないものもあり、また、時期を選びますのでそのあたりを心得ておく必要があります。

[1]さし穂の作り方
春ざしは前年生のがっちりした枝の先端を使い、10〜15cmの長さに切ってすぐに水を入れて水揚げをしておきます。常緑樹は下の1/3くらい葉を除き、切り口は鋭利な小刀で斜め45度に切り戻します。

さし穂の作り方

[2]さし床とさし方
さし床は浅い木箱などを用い、底に粗い砂やゴロ土を入れ、上に細かく振るった肥料分の無い土か、砂を入れて、よくかん水して落ち着かせます。鹿沼土やバーミキュライトを使うこともあります。ここへ割り箸などで穴を開けて、さし穂を1/2〜1/3の深さに切り口を傷めないようにさし、土を軽く押さえてよく密着させます。間隔をあけず密植したほうが、活着はよいようです。十分に水を与えて、日光の直射しない日陰で、しかも風当たりの少ない場所で管理します。秋まで管理して植え付けるとよいでしょう。

<今、さし木のできる樹木>
 アオキ、アジサイ、イヌツゲ、イヌマキ、キャラボク、エンコウスギ、マメツゲ、マサキ、ツバキ、サザンカ、サツキ、リュウキュウツツジ、クルメツツジ、ドウダンツツジ、ネズミモチ

(2)庭木の移植は
 落葉樹は今月に入ると新緑になっており、移植することはあまり好ましくありません。 アオギリ、サルスベリなど、萌芽の遅いものは大丈夫です。マツや常緑樹はかまいませんが、5月に入ってからのほうがよいでしょう。サツキやオオムラサキなどの常緑低木類は簡単に動かせますから、庭の模様替えをして気分を変えたい時には移植するのもよいでしょう。

(3)花のすんだ花木の手入れ
 花がすむといっせいに枝が伸びはじめますので、この時期に油かすなどを施しておきましょう。 花を咲かせるために冬のせん定のとき長く残してあった枝は、先端を切りつめます。丸刈りの低木などは刈り込んでおくと、翌年は芽のつんだ形に仕上がります。ジンチョウゲは刈り込むと後のほうに芽が遅いので、飛び出した枝を木バサミで切る程度にして、刈り込みは避けましょう。

(4)病害虫の防除はこうして
 庭木の新葉が茂ってくると、病害虫がぞろぞろと出てきますので、早めに防除しましょう

[1]うどんこ病
 カエデなどにはうどんこ病が出て、葉は白粉をかぶったようになります。これは風通しの悪い所によく出ますから、込みすぎた枝を透かし、病枝を切り取って焼き捨てます。薬剤を散布するのも有効です。

[2]アブラムシ
 ウメ、スモモ、サクラなどにはアブラムシがつきます。ウメの枝先にアブラムシがつき、葉先が縮れてくるのはよく見られます。4月上旬から中旬にかけて多く発生しますので、早めにスプレー剤で防除します。各種のアブラムシには粒状の忌避剤があり、地面に散布するだけで発生を防げるものもありますが、樹種によって薬害の出るものがありますので、注意書きをよく読んでから使いましょう。金魚など魚類を飼っているお家では薬剤を散布せずに、枝を切り取って水槽に振るい落として餌にするのも一つの方法です。