日本園芸協会毎月の庭木の手入れ
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■7月■ 8月 ■9月■
平均気温: 帯広20.0度 札幌21.7度
仙台24.0度 東京26.7度 新潟25.9度
京都27.3度 松山26.9度 鹿児島27.3度

この月は酷暑の候で草も木も元気がありませんが、アメリカディコ、キョウチクトウ、サルスベリなど暖地製の花木が庭を彩ります。
(1)庭への水やりはこうして
庭の芝生も草木も夏は水を補給しないと元気がありません。芝生にはスプリンクラーを設置することもできますが、 庭木の場合は根元へ十分に潅水しなければなりませんので、ホースでの水かけが必要になります。

<1> 庭木への水やり
新しく植えた庭木は根元のまわりに溝を掘り、そこへ水をやりますが、古くから植えてある庭木はそれなりに自衛していますので 水をやらなくても枯れることはありません。しかし、補給してやれば良くなることは確かですが、これには要領があります。庭木の葉に塵埃が付着しているので、これはホースで圧力をかけて落とします。これを葉水といいますが、日中の暑いときにやりますと、折角葉を垂れて水分の蒸散を防いでいる庭木から逆に水分の蒸散を促すことになりますので、逆効果になり好ましくありません。葉水は、朝早くか夕刻にホースの先を指先で強く押さえて水を圧送し、その力で葉を洗います。しかしこの程度の水かけでは 、水分の補給としてはあまり効果がありません。庭木に水をやる場合には、植え込みへホースの先を出し放しにして、たっぷりと地中に吸い込ませるほどやるのがよいのです。
葉に水を強く吹き付ける
ホースを使って根本にまく
<2> 地中かん水の設備を
庭木のためには、地表面よりも地中深いところに水を補給する方が良いのです。暗渠用の穴あき陶管や、普通の陶管 (径10〜15cm)、ビニル管などを地中30〜40cm程度深く埋め込み、その中へ粗い砕石などを詰めておき、そこへかん水します。こうしますと地中に水分が補給されますので、庭木は一段と元気を取り戻します。
陶管や塩ビ管を深く埋めて、クリ石をつめておく

カワラを組み、クリ石をつめる

(2) 庭木の手入れ
 6〜7月の間に庭木は十分に繁っており、風に対して抵抗力がなく、台風がくると倒れやすい状態になっています。 9月に入ると危険ですので、常緑広葉樹やカエデ、アオギリなど樹冠の広がりの大きい木は間引きせん定をして、風の通りをよくして倒伏を防ぐことが肝心です。カシ類などの常緑広葉樹は、先月にも増して徒長枝が伸びて樹形が崩れてきます。込みすぎた枝や、乱雑な枝の間引きをしましょう。
 モクセイ類は今月の末に花芽が分化して9月下旬から10月上旬にかけて咲くので、特殊な開花タイプに属します。従って、春のうちに刈り込むのはよいのですが、今の時期に強せん定するのはよくありません。通風が悪いと花付きが悪くなりますので、込みすぎた枝を間引きする程度なら早めにやりましょう。