日本園芸協会毎月の庭木の手入れ
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台風に万全の備えをしましょう

<1> 台風前の対策
庭木があるのとないのとでは、家に対する風当たりはかなり違います。すなわち庭木は防風の役目をしているわけですが、 それは根が大地にしっかりと大地に張っているからで、新しく植えてまだ十分に根を張っていない庭木は、風の力に耐えかねて倒れてしまいます。普通、家庭で庭木を植えたときには支柱を省略することが多いのですが、 用心のため支柱をするに越したことはありません。風で倒れやすい庭木は、コウヤマキ、コノテガシワ、サクラ、サワラ、スギ、チャボヒバ、ヒノキ、ヒマラヤスギ、モクレン、アカシア など浅根性のものや、樹冠が繁りすぎているものです。既に支柱の施してあるものでも結束部のしゅろなわが腐っていたりしては何の役にも立ちません。点検して新しい材料で縛り直しておきましょう。

<2> 台風後の処置

・イ)台風が過ぎたらすぐに水洗いすること
台風は海からの潮風をかなり内陸部まで持ち込みますので、海岸でなくても庭木や草花には塩分が付着して害が出てきます。ですから台風が去ったらすぐにホースで強い圧力をかけながら、庭木、特に草花には地際の葉や葉裏まで綿密に水をかけて洗い流すことが必要です。
・ロ)立て起こしと切り戻しせん定
風で倒れた木はそのまま起こしますと反対側の根が切れてかえって傷むことがありますから、反対側を掘り起こして無理せずに元の位置までもどして埋め戻し、支柱を立てておきます。また倒れないまでも折れたり、木と木が擦れ合って樹皮に傷が付いているなどの被害がありますから、折れた枝はのこぎりで切り直します。
折れたタケは根元から切り倒し、草花類は立て起こして支柱を添え、軽いせん定をしておきます。落葉やカキなど果樹の落果したものは、集めて埋めておきます。
・ハ)薬剤散布をしておきましょう。
台風後は傷が原因で病害が発生しやすいですから、病害予防のために薬剤を散布しておきます。花壇の草花には軽く施肥をします。花木類は落葉したことが原因で急に花を咲かせることがあります。これを返り咲きといい、アジサイ、ウメ、サクラ、ハナズオウ、レンギョウ、ボケなどにみられます。
病害虫の防除

<1> ミノムシ
木の葉や小枝をつづり合わせてミノを作り、その中に潜んで枝から枝へと糸を吐いて移動し、葉を食害します。雑食性の害虫でウメ、カキ、サクラ、チャ、ツツジ、ナンテン、フジなどに多く付きます。木の小枝をつづり合わせて小型のミノを作るのがチャノミノガで、葉ばかりで大型のミノを作るのがオオミノガです。今月ごろに小さいミノムシが無数に付いて困ることがあります。発生の初期にディプテレックスなどを散布しますが、ミノに隠れてしまうので効果が少なく、やはり見つけ次第に捕殺するのがよいのです。冬の間に垣根やへい、軒下などにいるのを除いておきます。

<2> オオスカシバ
クチナシの葉を食害する大害虫です。淡灰緑色で7cmにもなる大型のイモムシで、葉色に紛れてわかりにくいものです。夜間に盛んに活動してバリバリと葉を食べ、一晩で丸坊主にされて弱ってしまうことがあります。大型の虫ですから、夜間か朝早くに捕殺します。

<オオスガシバの幼虫><チャドクガの幼虫>
蛾の幼虫

<3> モンクロシャチホコ
サクラに付くケムシで体長は5cmくらい、赤褐色のきれいな色をして、葉にびっしりと付き食い荒らします。船の形に似ているのでフナガタケムシ、またサクラケムシともいいます。早めに発見して、ディプテレックスなどを散布します。

<4> その他の害虫
マツケムシが、第2回の発生をします。駆除しておかないと、翌年にまた発生します。チャドクガがツバキの葉を暴食します。早めに見つけて葉裏に群生しているうちに焼殺します。芝生にヨトウムシやマメコガネなどが発生します。