日本園芸協会毎月の庭木の手入れ
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■10月■ 11月 ■12月■
平均気温: 帯広1.9度 札幌3.7度
仙台8.4度 東京11.7度 新潟9.8度
京都11.1度 松山12.4度 鹿児島14.2度

この月に入ると寒さは1日1日と厳しくなり、庭木も落葉樹は葉を落としてさみしさを加えます。上旬にはもう霜の降りる地方もあり、庭は冬支度です。
(1)落葉樹の植付け適期です。
 落葉樹は今月中に落葉し、春まで休眠に入ります。この時期は移植の好期です。春のほう芽期までいつでもよいと言えますが、休眠に入ったばかりの今と、3月のほう芽直前がもっともよく、厳寒期の1〜2月は避けましょう。寒地性の針葉樹にはもちろん適期です。
<今、植えられる樹木>
 アカマツ、オオムラサキ、カイズカイブリ、キリシマツツジ、クロマツ、サツキ、ヒマヤラスギなど、 ウツギ、ウメ、ウメモドキ、オオデマリ、コデマリ、カイドウ、カエデ、コブシ、コナラ、ドウダンツツジ、ニシキギ、ハナズオウ、ボケ、ユキヤナギなど
(2)庭木の防寒
[1]わら囲い
寒さに弱いソテツ、ヤシ類などはこもで樹全体を覆い防寒します。ソテツの防寒は日本の庭の冬の景色として欠かせないものです。防寒は幹にこもなどを巻いて保護する方法と、囲いを作って寒風に当たることを防ぎ、地面にマルチングをして地熱の低下を防ぐ 方法があります。雪の多い地方では、骨組みをしっかりしないと倒れてしまいます。ユッカなどは葉先をまとめてわらなわで縛っておくだけでも違います。

[2]雪折れを防ぐには
 青竹で骨組を作りこもで保護したり、ヤツデ、カンチクなどはわら縄で全体をぐる巻にして折れないようにします。 マツの枝は冬になると堅くなり、雪の重みでポッキリと折れてしまいます。それで、雪の多い地方では、雪吊といって幹に沿って丸太を立て、わらなわを頂上に一束にして結び、四方の各枝に振り分けて雪の重みを支える方法がとられています。 兼六園の雪吊は全国的に有名です。昔は東京でも行われましたが、雪も少なくなり、費用もかさみますので、あまり行われなくなりました。冬の風物詩としていつまでも残しておきたいものです。

(3)病害虫の防除
落葉樹が葉を落としていますので、害虫の卵やまゆを見つけやすい時期です。冬枯れの庭を楽しみながら、丹念に探すのも一興です。オビカレハは、梅の小枝に指輪のように取り巻いて産卵しています。タケノホソクロバは、タケの葉に偏平で灰褐色のまゆをつけています。チャドクガは、ツバキの葉を裏返してみると産卵しています。いずれも被害枝を取り、焼却しておきます。ミノムシも丹念に取りましょう。

(4)冬ざしできる庭木
本年最後のさし木の適期です。針葉樹類は10〜11月から1〜2月によく活着するものがあります。

<冬ざしのできる庭木>
キャラボク、ツガ、コウヤマキ、チャボヒバ、クジャクヒバ、サワラ、ヒムロ、ビャクシン、ゲッケイジュ、ツバキ、サツキなど

<ソテツ類の防寒>
ソテツ類の防寒
根元を厚くするとよい

<ユッカの防寒>
ユッカの防寒
葉をしおり、細いひもで
3ヶ所ほど縛り、わらで巻く

<雪吊>
雪吊
幹に沿って杭を立て、
縄を垂らして枝を吊る。