質問.01 ウメの木を移植するには
 ウメの移植について、時期やポイントを教えてください。樹令二〇年ですが、根がなくとも切断面から発根すると聞きますが本当ですか。
(愛知県豊橋市  M.Wさん)
ウメの植え替え
根まきをする
植え穴を掘る
水ばちをつくる
回答
 ウメの移植について回答します。
<時 期>
 落葉後から発芽期までが移植の時期ですが、移植してから発芽までの期間が長いほうが活着率が良いので、十一月中旬〜年内一杯位が丁度適期と言えます。
<移植のポイント>
  • できるだけ細根をつけ、傷めないようにします。(座を多くするとも言います)
  • 根を乾燥させないよう、手早く植えます。
  • 根によく突きを入れて(細根のあいだに土を入れること)隙間をつくらないようにします。
  • 移植すると、どうしても恨が切れますので、地上部も比較的強い剪定をしてバランスを取ります。
  • 植付け後乾燥させないようたっぶりと灌水をします。

<老木の移植>
 老木の移植はなかなかむずかしいものですが、二〇年樹程度であれば移植は十分可能です。この場合も根が多い方が活着良好です。
 根が無くとも云々ということですが、太い根(直径二〜五cm)のものであれば切傷を剪定鋏などでなめらかにすると発根します。しかし根が全然無い場合は、発根しないと考えて良いと思います
。  いずれにしろ、移植で一番大切なことは地上部と地下部のバランスがとれていること、そして移植後乾燥させないことです。それには、敷藁などで乾燥防止をします。
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質問.02 ウメの古木を移植するには
 ウメの古木(樹令約一五〇年)の移植を成功させるには、どのような注意が肝要か、具体的にご教示ください。
(静岡県藤枝市  T.Mさん)
回答
 ウメの古木の移植を成功させるには、できるだけすみやかに活着させ、その後発根、発芽伸長を良好にしなければなりません。
一、根回し
ウメの古木の移植には、根回しは必須条件です。
  1. 時期は、十二月から三月までが良いでしょう 。
  2. 穴の大きさは、移植の時よりも小型のもので、木によって異なります。一般には、木の根元直径の四倍がふつうですが、幹が太い場合は随時加減します。
  3. 根の処理は、穴の外側の大きさで切ります。この際、側方の根を三〜四本残し(力枝)、他は穴面に合わせてのこぎりで切り取ります。残すのは風によって木が倒れないように残すのですから、できるだけ三〜四方に張ったものを残し、残した根は環状剥皮します。
  4. 埋め戻しは、なるべく表土を下に入れ、心土を上にします。また、このときキノックスやピートモスを混入すると発根がよくなります。
ニ、地上部の剪定
 根回しにより根を切るので、地上部との養水分のバランスを保つために幹と太枝以外の枝葉をほとんど切り詰めます。
三、移植
 古木では、根回し後三年ぐらい休養させてから掘り上げると活着が良いのです。
  1. 時期は、十一月から十二月頃が好期です。
  2. 恨巻きは若木の場合ミカン巻きで十分ですが、古木ではタル巻きして運搬します。
  3. 灌水は、水鉢を作ってたっぶりと行ない棒でつつきながら根と土とが密着するようにし、その後軽く鎮圧します。
  4. 支柱は、風のために木が動揺すると活着率が著しく悪くなりますので、必ず立てて木の安定をはかります。
  5. 移植後の管理は、樹勢が特に弱く皮焼けを起しますので、藁、こも、縄などを樹幹や太枝に巻く幹巻きを行をいます。また根元には敷藁を敷くのが良いでしょう。肥料は木が弱っているので、チッソ肥料を水に溶いて時々与えます。
梅の根回し
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