ウメの古木の移植を成功させるには、できるだけすみやかに活着させ、その後発根、発芽伸長を良好にしなければなりません。
- 一、根回し
- ウメの古木の移植には、根回しは必須条件です。
- 時期は、十二月から三月までが良いでしょう 。
- 穴の大きさは、移植の時よりも小型のもので、木によって異なります。一般には、木の根元直径の四倍がふつうですが、幹が太い場合は随時加減します。
- 根の処理は、穴の外側の大きさで切ります。この際、側方の根を三〜四本残し(力枝)、他は穴面に合わせてのこぎりで切り取ります。残すのは風によって木が倒れないように残すのですから、できるだけ三〜四方に張ったものを残し、残した根は環状剥皮します。
- 埋め戻しは、なるべく表土を下に入れ、心土を上にします。また、このときキノックスやピートモスを混入すると発根がよくなります。
- ニ、地上部の剪定
- 根回しにより根を切るので、地上部との養水分のバランスを保つために幹と太枝以外の枝葉をほとんど切り詰めます。
- 三、移植
- 古木では、根回し後三年ぐらい休養させてから掘り上げると活着が良いのです。
- 時期は、十一月から十二月頃が好期です。
- 恨巻きは若木の場合ミカン巻きで十分ですが、古木ではタル巻きして運搬します。
- 灌水は、水鉢を作ってたっぶりと行ない棒でつつきながら根と土とが密着するようにし、その後軽く鎮圧します。
- 支柱は、風のために木が動揺すると活着率が著しく悪くなりますので、必ず立てて木の安定をはかります。
- 移植後の管理は、樹勢が特に弱く皮焼けを起しますので、藁、こも、縄などを樹幹や太枝に巻く幹巻きを行をいます。また根元には敷藁を敷くのが良いでしょう。肥料は木が弱っているので、チッソ肥料を水に溶いて時々与えます。