日本園芸協会季節の園芸作業
ENJOY!


[1月]

■前回の「季節の園芸作業」を読む■ | ■最新の「季節の園芸作業」を読む■

 新年、明けましておめでとうございます。
 さて、今年の冬はやや暖冬気味のようですね。正月になったのにまだ、バラの咲いているお庭もあるようです。
「1年の計は元旦にあり」と言いますが、春からのガーデニング計画はお立てになりましたか。いろいろ情報を集め、今年はこんな風に庭を造りかえたい、この苗木を植えたい、この種子をまこうなど、いろいろ計画を立てるのがガーデニングの第1歩です。

買い物情報

ギョリュウバイは強い
霜に当てないように
最近、人気が出てきた
桃色マーガレット

 年々、年明けお店の開くのが早くなっているようです。とはいえ、新年早々は、あまり珍しい花が並ぶことはないのが普通です。

 なかでは、ギョリュウバイ、エリカ類、冬咲きクレマチス、マーガレット(白、桃など)にチューリップやスイセン、アネモネなどの球根類の鉢植えが目に付きます。花が咲いているものは、強い霜や寒風には当てないようにしましょう。特に、エリカ類や冬咲きクレマチス、マーガレットなどは寒さで傷むことがありますので、軒下などで保護したほうが安全です。


松竹梅の寄せ植えや花鉢物の手入れ

正月用の寄せ植え
は、春に植えなおす
黄色系のシクラメン
は、ほかの花色の
シクラメンよりも高
温(14、5度)で管
理すると、黄色が
保てる。

 お正月用の鉢物は順調に咲いてくれましたか。

<お正月の寄せ植えの手入れ>

 ウメやフクジュソウで蕾が開かない場合がありますが、これは湿度不足。朝晩、霧吹きで軽くスプレーしてやれば、ちゃんと咲いてくれるはずです。ただ、フクジュソウで根を切られて植えられたものは、ちょっとつらいところ。ウメに寄せたフクジュソウは根が長いので、鉢におさめるため根を切って入れられているものがあります。こうしたものは、根から水が吸えないため花が開かないで終わってしまうものです。こうした松竹梅の寄せ植えなどは、お正月を楽しんだ後は、よく日の当る、強い風の当らないところに置きましょう。室内に置く場合は、暖房の風が当らないところを選びます。いずれにしろ、春になったら鉢から抜き、それぞれ別に分け、一回り大きな鉢か庭に下ろして育てます。

<花鉢物の手入れ>

 シクラメンやプリムラ・オブコニカは、葉組みを整えてやりましょう。花茎を真中に集め、替わりに大きな葉を外側に持ってきます。そうすると光が中にまで入るようになり、花が途切れなく咲きつづけてくれます。また、入手して2週間くらいした鉢物は、肥切れしてくるものがありますので、マグアンプKなどの粒状の固形肥料を与えましょう。特に花を長期間、次々と咲かせる種類には大切です(洋ラン類やシャコバサボテン、ポインセチアなど一季咲きの種類には必要ありません)。


苗木や種子の注文はお早めに

 外での仕事が少ない今の時期に、しっかりとしたガーデニング計画を組みましょう。そうして早めに準備をすませておけば、より充実したガーデニング生活が楽しめます。種子や苗の注文、道具や資材の点検、手配は早めに済ませるようにしましょう。


<日本国内の種苗通販会社>

サカタのタネ(神奈川県横浜市都筑区仲台2-7-1 Tel 045-945-8824)
総合園芸通販会社(種子・苗・資材・その他)
タキイ種苗(京都市下京区梅小路 Tel 075-365-0123)
総合園芸通販会社(種子・苗・資材・その他)
改良園(川口市神戸129 Tel 048-296-1174)
花木・果樹・山野草・その他
日本花卉(川口市石神184 Tel 048-296-2321)
花木・果樹・山野草・その他
玉川園芸・日野春ハーブガーデン(山梨県長坂町0551-32-2970または0266-72-1778)
ハーブ関係(苗、種子ほか)

<外国の種苗通販会社>

Jelitto Staudensamen Gmbh URL:http://www.jelitto.com/
(ドイツ Postfach 1264 D-29685 Schwarmstedt/)
宿根草中心で山野草も多い。大袋もあるので、広い庭を花で埋めたい方や生産者の方にお勧め(小袋も単位が大きい)。カタログに種子のまき方の説明が詳しく載っており、日本語の解説があるのも親切。
ホームページから直接、注文できるところもあります。1度注文すると、次からはカタログを無料で送ってくれるところもあるので、そうすれば落ち着いて注文できます。カタログ(普通は有料)を入手したい場合は電話やホームページなどでご確認ください。
Thmpson & Morgan/URL:http:/www.thompson-morgan.com/
(イギリス Poplar Lane, Ipswich, Suffolk, 1P8 3BU UK)
世界的な総合園芸会社(種子・苗・資材・その他)。カタログはカラーページ豊富。
Chiltern Seeds/URL:http://www.chilternseeds.co.uk/
(イギリス Bortree Stile, Ulverston, Cumbria LA12 7PB UK)
総合種子会社。結構珍しい種類も取り扱っている。カタログは写真なし。
Plant World/URL:http://www.plantworldseeds.com/
(イギリス ST.MARYCHURCH RORD, NEWTON ABBOT, DEVON,TQ12 4SE UK)
山野草中心。結構、珍しい種類が載っていることがあります。
Silverhill Seeds/URL:http://www.silverhillseeds.co.za/
(南アフリカ PO Box 35108, Kenilworth, 7745 Cape Town, South Africa)
アフリカ(特に南アフリカ)産の種子を専門に扱っている種子屋さん。奇想天外(ウェルウェッティア)、ゼラニウム類の原種、バオバブ、ドンベヤなど面白そうな種類を扱っています。
Mesa Garden/URL:http://www.mesagarden.com
(アメリカ P.o.Box72 Belen, New mexico 87002 USA)
サボテン、多肉植物専門の種子屋さん。アメリカ外の種類も多く扱っています。種子の採種地データが入っているのも役立ちます。

海外の園芸の会に入って最新情報の入手

 最新の園芸情報を入手したい場合は、外国の園芸の会に入るのもよいですね。機関誌が充実していますので、写真を見るだけでも楽しめますし、無料で配布種子がもらえるところも多くあります。歴史と実績のあるイギリスとアメリカの会を紹介しましょう。

RHS(The Royal Horticultural Society 英国王立園芸協会)
   P.O.Box 313 London SW1P 2PE U.K. (URL:http://www.rhs.org.uk/)
一番歴史が古く、規模の大きな園芸の会。日本に支部(RHSJ 英国王立園芸協会日本支部 Tel 03-3984-9690)があり、機関誌(ザ・ガーデン 原文英語)の要約も手に入る。年会費45ポンド(初年度入会金込み)。
The Alpine Garden Society (URL:http://www.alpinegardensoc.demon.co.uk/)
(イギリス Avon Bank Pershore Worcestershire WR10 3JP U.K.)
世界で一番歴史のある山草会。配布種子には希少種が出ることもある。
The North American Rock Garden Society/URL:http://www.nargs.org/
(アメリカ PO Box 67,Millwood, NY, 10546, USA)
アメリカ最大の山草会。配布種子の申し込み方法には日本語の説明も付いている。年会費30USドル。
The American Hemerocallis Society (URL:http://www.daylilies.org/)
(アメリカ Pat Mercer, AHS Executive Secretary Department WWW P.O.Box 10 Dexter, Georgia 31019 USA)
日本でも人気が出てきたヘメロカリス(ディリリー)の専門の会。年会費23USドル。

花壇の天地返し

 厳冬期に、あいている花壇や菜園の天地返しをしましょう。そうすれば、春からの病害虫の発生が少なくなります。 その方法は、シャベルで花壇や畑の土を掘り起こし、下の土を上にあげるだけ。掘り起こしたら、よく砕き、石灰をまいて土にすきこみます。そうして寒風に晒しますと、土に隠れていた害虫や病原菌が駆除されるわけです。なお、2週間ほど晒したら、堆肥などを混ぜて均せばよいでしょう。

バラの冬季剪定の時期です

 暖冬化が続いているためか、なかなか葉が落ちず、年が明けても花を咲かせ続けるバラが多くなっているようです。これまでならば、「葉が落ちた休眠期に冬季剪定をする」といっていたのですが、これからは「時期がきたら葉が付いていても冬季剪定をする」に変えなければいけないようです。

 バラの冬季剪定は1月から2月中に済ませましょう(寒さの厳しい地方では3月一杯くらい)。

<H・T系 イングリッシュローズの剪定の仕方>

上の図をクリックすると
大きな図が見られます
  1. まず、枯れ枝、病害虫の被害の残っている枝を元から切り落とす。
  2. 鉛筆より細い枝と、逆に太くても軟らかいしまりのない枝、3、4年経た古い元気のない幹を元から切り落とす。
  3. 内側に伸びている懐枝や込みすぎているところの枝、枝と枝が交差しているところの枝を整理する。
  4. 幹は、去年の春に伸びた部分を10〜15センチ残して切り詰める。
  5. 切り詰めるときは、外側に付いている丸くて大きな、まだ固く締まっている芽のところから、7、8ミリ上で株の内側に斜めに切り落とす。すでに動き出している芽はえらばない。
  6. 幹は、同じ長さに揃えるのではなく、多少段をつけるようにすると、花が咲いたときにきれいに見える。
 イングリッシュローズやオールドローズやフロリバンダ系は、やや幹を多く、枝を長く残すように剪定するのがポイントです。

<ツルバラ(大輪系)の剪定と誘引の仕方>

  1. 枯れ枝や小枝、細枝を切り取り、ツルの先を3、40センチ切り詰める(充実した外芽<外側に向いた芽>の上で切る)。
  2. 古いツル(3年め以前の枝)は花を付けにくいので、不要な古いツルは元からノコギリで切り落とす。古いツルから、元気よく新しい枝が伸びている場合は、その新しい枝のところまで切り戻す。
  3. 残したツルの小枝は2、3芽残して切り詰める。
  4. 残したツルをなるべく水平になるように誘引し、紐で固定する。
  5. ツルとツルはなるべく交差しないように配置し、ツルの上下の間隔は30センチくらい取る。

 中・小輪系は、古いツルにもよく花をつけるので、無理に切り取ることはありません。ほかは、大輪系と同じです。

<寒肥を施しましょう>

 バラは肥料を必要とする種類です。バラに寒肥(元肥)を施していない場合は、なるべく早めに施しましょう。1株当り油粕、骨粉、過燐酸石灰各300gを牛糞(15リットルくらい)に混ぜを、株元から4、50センチ離して溝を掘り土に混ぜ込みます。これはツルバラの場合も、H・T系の場合も同じです。

イベント情報

 2月前半までの園芸・ガーデニング関係の催し物を調べました。ぜひ出かけて見ましょう。

第29回日本盆栽作風展(東京・大丸東京店)
1月8日〜13日(連絡先 Tel 03-3821-8011)
第74回銘風盆栽展(名古屋・名古屋市吹上ホール)
1月10日〜12日(連絡先 Tel 052-351-3873)
第45回洋ラン展(東京・銀座松坂屋店)
1月14日〜20日(連絡先 Tel 03-3302-5679)
第78回国風盆栽展(東京上野・東京都美術館)
2月8日〜15日(連絡先 Tel 03-3821-3059)
第53回関東東海花の展覧会(東京・池袋サンシャインシティー文化会館)
2月13日〜15日(連絡先 Tel 03-3434-9554)

■前回の「季節の園芸作業」を読む■ | ■最新の「季節の園芸作業」を読む■
●ガーデニングカタログ(通信販売)へ | ●ガーデニング講座(通信教育)へ

HOMEへ