アジサイの名所
アジサイは、薄暗く、うっとうしい日が続く梅雨期に、一服の清涼感を与えてくれる花。
原産地は日本で、七変化・七変草などの別名があるように、淡い青、青紫、藍、淡い紅、紅、白の花が咲きます。
その理由は酸性を好むアジサイの性質にあり、土壌が酸性の場合は青い花が咲き育ちもよく、
中性・アルカリ性の場合は赤い花になると云われています。
■アジサイの名所としてもっともよく知られているのが神奈川県鎌倉市の
明月院。
ヒメアジサイ(テマリアジサイ)、ガクアジサイ、ヤマアジサイなど数千株を植栽。
周辺の山肌にはタマアジサイも自生しています。通称アジサイ寺とも呼ばれ、6月中旬から下旬の
開花期には青色の花が咲き乱れ、訪れる人で参道に列ができるほどです。この寺にアジサイが植えられたのは
40年ほど前。当時の住職が垣根の代わりにするつもりで少しずつ植えたのが始まりだといわれています。。
■明月院とともにアジサイ寺と呼ばれているのが奈良県大和郡山市の
矢田寺。
679年に建立されたと伝えられる古刹で、本尊は地蔵菩薩。以前は矢田のお地蔵さんの名で呼ばれていましたが
、アジサイが増え、見本園が造られるなどして、今ではアジサイ寺の呼び名が定着。6月上旬から7月上旬の
開花期には、5000株に及ぶアジサイが一斉に咲きそろいます。
■アジサイの名所には寺が多く、この他にも千葉県大多喜町の
麻綿原高原、同県松戸市の本土寺、
東京都日野市の高幡不動尊、長野県上山田町の智職寺、
愛知県幸田町の本光寺
などが知られています。
■植物園にもアジサイの名所があります。六甲山のほぼ中央にある兵庫県神戸市の
森林植物園
には、約20種5万株のアジサイが植えられています。なかには六甲の山中で発見されたシチダンカ、ベニガク、
などもあり、6月中旬の開花期には一斉に咲き乱れます。
■酸性土壌の
六甲山は、
アジサイの育成には最適地。現在、古種などの品種を苗木で生育しており、将来は品種数日本一のアジサイの
名所になりそうです。
■ほかには、
青森県三厩村の竜飛崎の急斜面に群生地があります。
8月初旬から中旬の開花期には色とりどりの花を咲かせます。
厳しい北の海風に負けず生育した、アジサイのたくましさを見て取れる名所といえます。
|